頭にイボが……これは良性と悪性どっち?判別方法は?
頭にイボができた場合、何か違和感がある、シャンプーをしていて気になるという方はいらっしゃいませんか?
脳に転移するような悪性腫瘍ではないかと不安に思う方もいるでしょう。
この記事では頭によくできるイボや、良性腫瘍と悪性腫瘍の見分け方を紹介しています。
ぜひ最後までご覧ください。
イボについて
イボは、皮膚から盛り上がっている小さなできもの一般を指す俗語です。‹₁›
医学的には多くの場合、皮膚腫瘍のことを意味しており、その種類は良性の腫瘍から悪性の腫瘍まで様々です。
また、頭皮にイボができた場合の主な原因は、頭をぶつけて傷ができ、その部分からウイルスの侵入があったと考えられます。
イボの原因はウイルスの感染がほとんどです。原因となるウイルスの種類は100種類以上もあります。
良性のイボ
はじめに頭にできる代表的な2つの良性のイボ(腫瘍)を紹介します。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
頭にできるイボの中ではもっとも代表的な皮膚疾患です。
この腫瘍の原因は表皮にある角化細胞の過度な増殖です。
角化細胞は肌の主な部分を占める細胞で、通常は増殖を繰り返し、表面から剥がれ落ちるサイクルを形成しています。
しかし、外傷による傷からヒトパピローマウイルス(HPV)が侵入してきた場合に、角化細胞が活性化してしまい過度に増殖してしまい、イボが形成されてしまうのです。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
皮膚は一定周期を経て細胞が生まれ変わりますが、年齢を重ねるとこのサイクルが滞り、古くなった細胞やメラニン色素が排出されにくくなります。
そして少しずつシミが発生し、少しずつ隆起すると、脂漏性角化症というイボとなります。
別名を老人性イボとされていますが、20歳代で発症する方も少なくありません。
楕円形で茶や黒褐色をした良性の腫瘍です。
尋常性疣贅と比較するとウイルス性ではないことがわかります。
保険が適用される治療には手術による切除があります。
悪性のイボ
次に頭にできる代表的な2つの悪性のイボ(腫瘍)を紹介します。
有棘細胞がん(ゆうきょくさいぼうがん)
有棘細胞がんは一般的に、通常の肌の色から鮮やかな赤色に変化し、皮膚表面は乾燥したように硬くなります。
しこりのように表面が盛り上がるため、イボと間違われる代表例であり、人体の一番外側に存在する表皮細胞のがんです。
紫外線を浴びやすい場所に見られる傾向があり、頭に発生する場合もあります。
表面がもろく崩れやすいので、少しの摩擦で傷になりジクジクして、かさぶたのような状態になるなどの特徴があります。
進行すると、腫瘍から体液が染み出すことや、細菌感染によって悪臭を伴うこともあります。
血管肉腫(けっかんにくしゅ)
血管肉腫とは、血管の内皮細胞から発生するがんのことです。
日本人では、1年間に50人くらいがこの病気にかかると推定されています。‹₂›
高齢者の頭皮にできることが多く、進展が早く、再発しやすいことが特徴です。
さらに遠隔転移の症例もあり、とくに肺転移を起こしやすく、極めて悪性度が高いがんでもあります。
見た目は境界が不鮮明で赤黒く内出血のような色で、進行すると患部が盛り上がる場合もあるためイボやアザのように見えます。
初期に自覚症状はありませんが、病気が進行して出血してくると痛みを伴う場合があります。
良性と悪性の見分け方
ここまで4つの腫瘍を紹介しましたが、良性と悪性の腫瘍を見分けるポイントは以下の5つです。
・イボが急に大きくなってきた
・黒くにじんだような見た目をしている
・表面がジクジクして血や膿が出る
・イボから悪臭がする
・カサブタのような傷が治らない
もちろんこの5つだけでは判断できませんが、これらは悪性腫瘍にみられる共通の特徴で、該当する場合は要注意です。
悪性腫瘍は早期発見、早期治療が最も重要です。
これらを参考に、不安なイボなどがありましたら、お気軽に当院へご相談ください。
まとめ
発症部位に関わらずイボはそのまま放置しておくと、良性であっても悪性であっても、肥大化します。
帽子をかぶる時や、頭を洗う時、誰かに指摘された時など、日常生活でストレスになり気になっている場合は是非当院へご相談ください。
当院では、検査の結果と患者様の状態に合わせた治療方法を詳しくご説明し、インフォームドコンセントを重視して、最善の治療を行います。
イボができたけどこれは良性?間違えやすい6種の症例を解説!
突然、黒っぽい「イボ」ができてしまった… すぐに治療した方が良いイボがあるって聞くし不安だな。
このように悩まれている方はいらっしゃいませんか? この記事では、イボの原因や見分け方、実際によく間違えられる皮膚腫瘍を6つ紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
イボができる原因良性のイボイボと間違われやすい悪性腫瘍まとめ
イボができる原因
一般的にいわれるイボは、医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、これからご紹介する尋常性や脂漏性角症など、様々な種類があります。
イボは年齢性別問わず発症する可能性がある皮膚疾患であり、主な原因はウイルス感染と加齢になります。
ウイルス
イボはウイルス感染による発症がほとんどです。
原因となるウイルスの種類は100種類以上ありますが、「尋常性疣贅」「青年性扁平疣贅」などHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が特に多いです。
このウイルスを防ぐ為には、傷やささくれを作らないようにすることや肌を保護することが必要です。
また、免疫の働きを保つことも大切で、日々の栄養バランスの取れた食事や睡眠もイボ発症の防止になります。
加齢
イボができる原因には加齢や紫外線も含まれます。
30代を迎えるあたりから、「首イボ」や「脂漏性角化症」などを発症し、ワイシャツの襟やアクセサリーに擦れて不快に感じることもあるようです。
発症を防ぐ為には、日焼け止めなどで紫外線からのダメージを減らすことや、肥満者に多く発症する傾向にあることから、日々の食生活なども予防に繋がるといえます。
良性のイボ
上述の原因でできる様々な種類のイボが突然できると不安ですよね。
それは良性のイボと、よく似た悪性腫瘍を見間違いしてしまうケースが多いからです。
形や外見の見分けが難しい為、良性のイボ・悪性腫瘍をそれぞれご紹介しますので、それを参考にご自身のイボもチェックしてみてください。
良性のイボ:尋常性疣贅
大きさは数mm程度のものですが、稀に2㎝程度まで大きくなることがあるイボです。
手足の指にできることが多く、平らで小さく隆起します。
痛みなどはありませんが、稀にかゆみが出ることがあり、擦れる場所にできた場合、角化し石灰色になり、大きくザラついた感触に変わることがあります。
原因としては皮膚にできた傷などから、HPVというウイルスが侵入することで感染します。
良性のイボ:青年性扁平疣贅
特に若い女性に多いとされているイボで、シミに似た淡い褐色が特徴です。手などにできることが多く、表面がなめらかに突起します。
原因は「尋常性疣贅」と同様で、HPVウイルスが原因で感染します。
どちらのイボも他の個所に広がったり、他人にうつしてしまう可能性があるので、早めに治療する必要があります。
良性のイボ:脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
加齢によりできやすいイボで、老人性イボともよばれるイボです。
主に頭部や顔にできやすく、茶や黒褐色をした良性腫瘍です。
加齢により増加しやすく、シミが隆起しイボになることがあります。
脂漏性角化症は良性で治療の必要はありませんが、気になる場合は、治療によって除去することも可能です。
イボと間違われやすい悪性腫瘍
まれに悪性の腫瘍が混ざっているときがあるので、違和感があればすぐに受診するようにしましょう。
悪性腫瘍:有棘(ゆうきょく)細胞がん
イボと間違われる代表例であるのが、人体の一番外側に存在する表皮細胞のがんである有棘細胞癌です。
皮膚が盛り上がったしこりになるので、イボと間違われることがあります。
特に顔面や手の甲など、紫外線を浴びやすい場所に見られる傾向にあります。
表面がもろく崩れやすいので、少しの摩擦で傷になりジクジクしたり、かさぶた状態になるなどの特徴があり、細菌感染によって悪臭を放つようにもなるがんです。
見分けるポイントとしては、下記になります。
- 悪臭
- できものを繰り返している場所にできている
- 表面がじくじくしたり、かさぶたになっている
- 顔面や手の甲などの紫外線を浴びやすい部位にできている
悪性腫瘍:悪性黒色腫
別名をメラノーマと呼ばれる悪性腫瘍で、色が黒いことからほくろとも見間違うことが多い腫瘍です。
手足などの末端部分に生じることが多く、大きなほくろや急にできたほくろなどは、このがんに該当する可能性があります。
見分けるポイントとしては以下があります。
- ぼやけてはっきりしない
- 色が混在する
- 大きさが6mm以上
- 表面が隆起している
- 左右非対称
悪性腫瘍:血管肉腫
全身にできる可能性がありますが、特に頭や首に発症します。
痛みやかゆみがないので、自覚症状がないまま病気が進行することがある悪性腫瘍です。
皮膚の赤身や青あざが特徴で、進行すると皮膚が隆起したり、血豆のようなかたまりが現れたりします。
まとめ
イボは放置すると大きくなるものもあり、大きくなればなるほどきれいに治すことが困難な場合が多いです。
なのでイボが気になったら、形成外科に早めに相談することをおすすめします。
悪性腫瘍は早期発見早期治療が最も重要です。本記事を参考に、不安なイボなどがありましたら、すぐに病院にいらしてください。
当院では、検査の結果と患者様の状態に合わせた治療方法を詳しくご説明し、インフォームドコンセントを重視して、最善の治療を行います。
基本的には粉瘤であっても、日帰りでの手術など短時間での処置をすることができます。
イボについて不安がある方、ぜひお気軽にご相談ください。
できものについて不安がある方、ぜひお気軽にご相談ください。
関連記事
このイボは良性か悪性か?見分け方を徹底解説
皮膚がんや皮膚腫瘍など皮膚表面の治療・手術のご相談なら、大坂梅田形成外科粉瘤クリニックにお任せください。
できものが急にできて正体がわからない。
仕事が忙しくてできものの診察になかなか行けない。
このできものが良性なのか悪性なのかだけでも知りたい。
このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
この記事では、できものの見分け方とよくある症例について解説しています。
できもの(皮膚腫瘍)について
「できもの」と一般的な表現されるものは、医学的に皮膚腫瘍と言い換えることができます。
腫瘍と聞くと体に何か悪影響を与えるような悪性腫瘍をイメージしてしまいますよね。
たしかに皮膚腫瘍で悪性とされるものは、多くの場合皮膚がんのことを指します。
それぞれのできもので、原因は異なり、ウイルスや細胞、脂肪、老廃物など多岐にわたります。
良性と悪性で共通して言えるのは、どちらも早期発見、早期治療を行うことが何よりも重要です。
良性と悪性の見分け方
次に腫瘍が良性なのか悪性なのか見分ける方法を紹介します。
硬さ
まずはできものの硬さで判断できます。
悪性のがん(皮膚癌など)は、硬くでこぼこしたような表面であることが多いです。そしてがん物質が周りの組織に癒着をしているせいで、押してもあまり動かないという特徴もあります。
また、良性の腫瘍はゴムのように柔らかく、表面は滑らかに丸みを帯びています。腫瘍は独立しているので、押すとこりこりと動きます。
表面
悪性のがんは、悪性を疑う場合として、出血する、ジクジクする、周囲との境界が不鮮明である、かさぶたがある等の特徴があります(もちろんこれらの特徴がなくても悪性の場合はあります)。
完全に見極めるには?
診察をせずに良性と悪性を完全に見極めることはできません。
最終的には必ず専門医による診察が必要となってきます。
しかし、できものができたからといってすぐに診察に行くほど、世間から重要視されていないのが現状です。
そのため良性腫瘍と悪性腫瘍の一部を紹介することで、いまお悩みのできものが何という疾患なのか判断材料にしていただければと思います。
良性腫瘍とその治療法
「できもの」と言っても、その形や症状は様々です。そこでまずは良性腫瘍について紹介していきます。
ほくろ
良性腫瘍の中でも最も一般的に知られているのが、この「ほくろ」です。
厳密にほくろとはメラニン色素を作り出す母斑細胞と呼ばれる細胞が集合し、固まったものです。
様々な形のほくろがありますが、正しい見分け方をしないと危険があるものも実はあるのです。
それはほくろが皮膚がんととても似ている点にあり、診察でもじっくり検査を行う程見分けることが非常に難しい腫瘍です。
もし、ほくろが悪性である可能性が高い医師が判断した場合は、手術で切除し病理検査を行うことで診断が確定します。
基本的にはほくろ治療にはレーザーでの治療が有効ですが、レーザー治療は複数回受ける必要があり時間がかかることと、ほくろが悪性だった場合、レーザー治療は有効ではないのです。
粉瘤(アテローム)
表皮嚢腫とも呼ばれる良性の腫瘍です。
皮膚の下に袋状の組織ができ、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まることで、できるできものです。
始めはあまり目立つことはありませんが、ニキビやしこりと似たように感じます。しかし、この粉瘤は放置することで、皮膚が隆起するほど大きくなり、異臭や細菌感染による炎症を起こす可能性があります。
粉瘤は手術を行わない限り根治できないのが特徴で、手術には「くりぬき法」「切開法」の2つの手術方法を用いて摘出します。
脂肪腫(リポーマ)
最も多くみられる皮下の良性腫瘍です。
身体の各部に発生しますが、ゆっくり発育するのが特徴で発見するのが遅くなりやすい腫瘍です。
一般的に痛みや痒みといった症状はないのですが、放置するとどんどん大きくなり目立ってしまいます。
また、脂肪腫自体は良性の腫瘍ですが、よく似た症状や見た目の悪性腫瘍もあるので、早急な手術が必要になります。
脂肪腫は自然治癒することはなく、内容物は液体状ではないので根治には外科手術が必要になります。
悪性腫瘍とその治療法
悪性腫瘍とはいわゆる「がん」のことです。早期発見が鍵となる悪性腫瘍(皮膚癌)についてご紹介します。
この腫瘍を疑う特徴がある場合には、すぐに病院での診断を受けることをおすすめします。
悪性黒色腫(メラノーマ)
この悪性黒色腫は、その名の通り色が黒くいことから、ほくろと見間違う代表的な皮膚がんです。
手足などの末端部分に生じることが多く、大きなほくろや急にできたほくろなどは、皮膚がんに該当する可能性があります。見分けるポイントとしては以下があります。
✔ぼやけてはっきりしない
✔色が混在する
✔大きさが6mm以上
✔表面が隆起している
✔左右非対称
基底細胞腫
悪性黒色腫と同様に、ほくろと間違うがんの1つで、高齢者に多いのが、この基底細胞腫です。
放置すると大きくなり、中央部がくずれてへこんできた場合には基底細胞腫の疑いがあります。皮下脂肪の少ない顔面などに生じると深く進攻し骨を崩してしまうこともある危険ながんです。
有棘細胞癌
最後にイボと間違われる代表例であるのが、人体の一番外側に存在する表皮細胞のがんである有棘細胞癌です。
皮膚が盛り上がったしこりになるので、イボと間違われることがあります。特に顔面や手の甲など、紫外線を浴びやすい場所に見られる傾向にあります。
表面がもろく崩れやすいので、少しの摩擦で傷になりジクジクしたり、かさぶた状態になるなどの特徴があり、細菌感染によって悪臭を放つようにもなるがんです。
見分けるポイントとしては、
✔悪臭
✔できものを繰り返している場所にできている
✔表面がジクジクしたり、かさぶたになっている
✔顔面や手の甲などの、紫外線を浴びやすい部位にできている
これらの皮膚がんが転移が生じていない初期の段階であれば、手術により完全に摘出すれば完治の可能性が高くなります。したがって悪性の疑いがある特徴がある場合には、なるべく早く病院で診断してもらい、手術することが重要になります。
まとめ
ほとんどの場合、良性でも、皮膚癌の疑いがある悪性でも、早期発見早期治療が何よりも重要です。
本記事で記載した腫瘍の種類と見分け方を参考に、不安があればすぐに病院にいらしてください。
大阪で皮膚癌(がん)の検査・治療を行う当院では、検査の結果と患者様の状態に合わせた治療方法を詳しくご説明し、インフォームドコンセントを重視して、最善の治療を行います。
基本的には粉瘤の症状であっても、日帰りでの手術など短時間での処置をすることができます。
できものについて不安がある方、ぜひお気軽にご相談ください。最新の検査機器と技術を用いて迅速かつ正確な診断を行い、必要に応じて手術を含む治療を行わせていただきます。
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また当院では女性の医師による診察・手術も行っております。
できものには悪性と良性がある!見分け方を徹底解説
気づいたらできものができていた。。
しかし仕事が忙しくて診察や検査になかなか行けない。
悪性のものもあるって聞いたことあるから不安。
このようなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
この記事では、できものの見分け方とよくある症例について解説しています。
できものについて
「できもの」と一般的な表現されるものは、医学的に皮膚腫瘍と言い換えることができます。
腫瘍と聞くと体に何か悪影響を与えるような悪性腫瘍をイメージしてしまいますよね。
たしかに皮膚腫瘍で悪性とされるものは、多くの場合皮膚がんのことを指します。
それぞれのできもので、原因は異なり、ウイルスや細胞、脂肪、老廃物など多岐にわたります。
良性と悪性で共通して言えるのは、どちらも早期発見、早期治療を行うことが何よりも重要です。
良性と悪性の見分け方
次に皮膚腫瘍が良性なのか悪性なのか見分ける方法を紹介します。
その1:できものの硬さを確認
まずはできものの硬さで判断できます。
悪性のがんは、硬くでこぼこしたような表面であることが多いです。そしてがん物質が周りの組織に癒着をしているせいで、押してもあまり動かないという特徴もあります。
また、良性の腫瘍はゴムのように柔らかく、表面は滑らかに丸みを帯びています。腫瘍は独立しているので、押すとこりこりと動きます。
その2:表面の状態を確認
悪性のがんは、悪性を疑う場合として、出血する、ジクジクする、周囲との境界が不鮮明である、かさぶたがある等の特徴があります(もちろんこれらの特徴がなくても悪性の場合はあります)。
悪性か良性かを完全に見極めるには?
診察をせずに良性と悪性を完全に見極めることはできません。
最終的には必ず専門医による診察・検査が必要となってきます。
しかし、できものができたからといってすぐに診察に行くほど、世間から重要視されていないのが現状です。
そのため良性腫瘍と悪性腫瘍の一部を紹介することで、いまお悩みのできものが何という疾患なのか判断材料にしていただければと思います。
良性腫瘍
「できもの」と言っても、その形や症状は様々です。そこでまずは良性腫瘍について紹介していきます。
ほくろ
良性腫瘍の中でも最も一般的に知られているのが、この「ほくろ」です。
厳密にほくろとはメラニン色素を作り出す母斑細胞と呼ばれる細胞が集合し、固まったものです。
様々な形のほくろがありますが、正しい見分け方をしないと危険があるものも実はあるのです。
それはほくろが皮膚がんととても似ている点にあり、診察でもじっくり検査を行う程見分けることが非常に難しい腫瘍です。
もし、ほくろが悪性である可能性が高い医師が判断した場合は、手術で切除し病理検査を行うことで診断が確定します。
基本的にはほくろ治療にはレーザーでの治療が有効ですが、レーザー治療は複数回受ける必要があり時間がかかることと、ほくろが悪性だった場合、レーザー治療は有効ではないのです。
粉瘤(アテローム)
表皮嚢腫とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。
皮膚の下に袋状の組織ができ、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まることで、できるできものです。
始めはあまり目立つことはありませんが、ニキビやしこりと似たように感じます。しかし、この粉瘤は放置することで、皮膚が隆起するほど大きくなり、異臭や細菌感染による炎症を起こす可能性があります。
粉瘤は手術を行わない限り根治できないのが特徴で、手術には「くりぬき法」「切開法」の2つの手術方法を用いて摘出します。
脂肪腫(リポーマ)
最も多くみられる皮下の良性腫瘍です。
身体の各部に発生しますが、ゆっくり発育するのが特徴で発見するのが遅くなりやすい皮膚腫瘍です。
一般的に痛みや痒みといった症状はないのですが、放置するとどんどん大きくなり目立ってしまいます。
また、脂肪腫自体は良性の腫瘍ですが、よく似た症状や見た目の悪性腫瘍もあるので、早急な手術が必要になります。
脂肪腫は自然治癒することはなく、内容物は液体状ではないので根治には外科手術が必要になります。
悪性腫瘍
悪性腫瘍とはいわゆる「がん」のことです。早期発見が鍵となる悪性腫瘍についてご紹介します。
この腫瘍を疑う特徴がある場合には、すぐに病院での診断を受けることをおすすめします。
悪性黒色腫(メラノーマ)
この悪性黒色腫は、その名の通り色が黒くいことから、ほくろと見間違う代表的な皮膚がんです。
手足などの末端部分に生じることが多く、大きなほくろや急にできたほくろなどは、このがんに該当する可能性があります。見分けるポイントとしては以下があります。
✔ぼやけてはっきりしない
✔色が混在する
✔大きさが6mm以上
✔表面が隆起している
✔左右非対称
基底細胞癌
悪性黒色腫と同様に、ほくろと間違うがんの1つで、高齢者に多いのが、この基底細胞癌です。
放置すると大きくなり、中央部がくずれてへこんできた場合には基底細胞癌の疑いがあります。皮下脂肪の少ない顔面などに生じると深く進攻し骨を崩してしまうこともある危険ながんです。
有棘細胞癌
最後にイボと間違われる代表例であるのが、人体の一番外側に存在する表皮細胞のがんである有棘細胞癌です。
皮膚が盛り上がったしこりになるので、イボと間違われることがあります。特に顔面や手の甲など、紫外線を浴びやすい場所に見られる傾向にあります。
表面がもろく崩れやすいので、少しの摩擦で傷になりジクジクしたり、かさぶた状態になるなどの特徴があり、細菌感染によって悪臭を放つようにもなるがんです。
見分けるポイントとしては、
✔悪臭
✔できものを繰り返している場所にできている
✔表面がジクジクしたり、かさぶたになっている
✔顔面や手の甲などの、紫外線を浴びやすい部位にできている
これらの皮膚がんが転移が生じていない初期の段階であれば、手術により完全に摘出すれば完治の可能性が高くなります。したがって悪性の疑いがある特徴がある場合には、なるべく早く病院で診断してもらい、手術することが重要になります。
まとめ
ほとんどの場合、良性でも悪性でも早期発見早期治療が何よりも重要です。
本記事で記載した皮膚腫瘍の種類と見分け方を参考に、不安があればすぐに病院にいらしてください。
当院では、検査の結果と患者様の状態に合わせた治療方法を詳しくご説明し、インフォームドコンセントを重視して、最善の治療を行います。
基本的には粉瘤であっても、日帰りでの手術など短時間での処置をすることができます。
できものについて不安がある方、ぜひお気軽にご相談ください。
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皮膚表面の治療・手術を専門とする形成外科専門医のいるクリニック
大坂梅田形成外科粉瘤クリニックでは、形成外科専門医による日帰り手術を行っております。粉瘤をはじめ、脂肪腫や眼瞼下垂、耳垂裂と幅広い手術に対応しております。見た目にもきれいな仕上がりで再発の少ない手術を行っております。
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できものの治療法について 当院の治療法もご紹介
できものを見つけた場合、なるべく早めに治療をするのが鉄則です。
こちらのページでは、各できものの治療方法について解説していきます。
当院でのできもの治療について
当院では、粉瘤(アテローム)・脂肪腫・ほくろ・いぼの切除治療を行っております。
粉瘤(アテローム)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の組織ができることで、角質や老廃物が溜まることを指します。
はじめはほとんど目立つことはなく、ニキビやしこりのように感じます。しかし、粉瘤は放置すると皮膚が隆起するほど大きくなり、独特な臭いを放ったり、細菌などの感染により炎症を引き起こす可能性があります。
ニキビやふきでものと異なり、粉瘤(アテローム)は手術を行わない限り根治できないのが特徴です。 そのため、ご自身で潰してしまうと炎症の恐れがあり、さらに組織が残ると再発するため、早急な措置が必要になってきます。。
粉瘤の治療には、「くり抜き法」と「切開法」の2通りあり、症状によって使い分けます。
くり抜き法
特殊な機械で粉瘤に小さな穴を開け、袋の内容物を揉み出し、粉瘤の袋がしぼんだ状態できれいに取り出す方法です。 手術時間は5分~20分と短い時間で負担も少ない手術法です。
切開法
局所麻酔を行った後、実際に切開を行い粉瘤を取りだしていきます。切開方法は、再発する可能性が低いため、患者様の状態によって切開法を選択する場合があります。 当院の治療は痛みを軽減し、手術痕も残らないような手術を行っています。 また、たとえ炎症性の粉瘤であっても、事前の診療で適切に判断し、基本的には入院せずに日帰りで手術が可能です。
脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫は、皮下に発生する良性腫瘍で袋状の組織の中に脂肪が蓄えられていき大きくなります。
良性腫瘍ですが、よく似た見た目の悪性腫瘍ということもあるので、見つけたら早めに医師の判断を仰ぐことが大切です。脂肪腫の治療は基本的には外科手術を行います。 他の疾患と鑑別するために診察を行い、最善の選択をしていただきます。
当院では傷跡を目立ちにくくするように、形成外科専門医が患者様の状態に合わせて最適な手法で手術致します。痛みの軽減はもちろん、脂肪腫の手術であっても適切に判断し日帰りでの手術を受ける事ができます。
治療は、患部の上を切開し摘出していきます。摘出に関してはピンセットと指を使い丁寧に抜き出していきます。
抜き出した後は、丁寧に縫合して傷跡が目立たないようにします。
ほくろ
ほくろは、誰にでも1つは有ると思いますが、危険なものである可能性もあります。 理由としては、ほくろを皮膚がんと見分けることが非常に難しいためです。 診療でも患者さんからの症状や状況をじっくり伺ってから検査を行っています。
ほくろが悪性であると疑いが強い、リスクが高いと判断した場合には、手術で切除した後、病理検査を行うことで診断が確定します。当医院は患者様の症状や状況に合わせた適切な治療法を提案しますので、少しでも皮膚がんの特徴と似ていたる、ほくろが気になる方は診断を受けることをおすすめします。
ほくろの治療はレーザーが有効です。
数か月おきにレーザーを当てるため多少時間はかかりますが、当院ではきれいな仕上がりを心掛けています。
しかし、悪性のほくろだった場合レーザー治療は有効ではないため、事前の医師の判断が重要となります。
イボ
いぼには様々な種類があり、ウイルスや加齢などの原因など様々です。 見た目に響くものも多く、放置すると大きくなったりきれいに治療しきれない場合もありますので、気になったら早めに医師に相談することが大切です。
いぼの種類によって治療方法も異なります。 液体窒素による冷凍凝固療法であったり、手術で切除する方法などあります。 どの治療方法になるかは医師が判断し、なるべく傷跡が残らないようにすすめていきます。
できもの治療のポイント
できもの治療のポイントは、早めの来院で適切な検査をすることです。 どんなできものも、自己判断せず、まずは専門医師に相談するようにしましょう。自己判断をしたまま放置すると、治療が難しくなったり、残らなくて良かった跡が残ってしまったりする場合があるからです。
クリニックにいらした際は、適切な検査・医師によるヒアリングをさせていただき最適な治療法を考えていきます。 まずはお気軽にご相談ください。
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顔のできものの治療は必要?予防はできるの?徹底解説!
顔にできるできものには、皮脂や肌の老廃物が毛穴につまって起こるニキビだけではなく、粉瘤やイボといったようなさまざまな種類があります。その中には自然治癒では治らず、手術が必要になる場合もあります。当院では、痛みが少ない施術を心掛けているだけではなく、形成外科専門医による傷痕が目立たない治療を行っています。また基本的に、日帰りでの手術を行っています。
顔のできものについて
脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫とは、脂肪細胞からなる良性の腫瘍のことです。(極めてまれに悪性の場合があります。)また、身体中どこにでも発生の可能性がありますが、顔、頭皮などに発生する場合は少ないです。大きさは直径2,3mm~10㎝以上のものまでさまざまなものがあります。
一般的に痛みや痒みといった症状がないことや、徐々に大きくなっていくため、20歳前後で発見されることは稀で、40~50歳代に見つかることが多いです。 ですが脂肪腫は自然治癒することがなく、放置しているとどんどん大きくなり目立ってしまいまいます。そのため、根治には手術が必要になります。
患者様の負担を軽減する為にも目立つほど大きくなる前に、なるべく早く医師に相談し取り除くことが重要です。
粉瘤(アテローム)
粉瘤とは、表皮嚢腫とも呼ばれる良性の腫瘍です。
はじめはほとんど目立つことはなく、ニキビやしこりのように感じます。しかし、粉瘤は放置すると皮膚が隆起するほど大きくなり、独特な臭いを放ったり、細菌などの感染により炎症を引き起こす可能性があります。
ニキビやふきでものと異なり、粉瘤(アテローム)は手術を行わない限り根治できないのが特徴です。 そのため、ご自身で潰してしまうと炎症の恐れがあり、さらに組織が残ると再発するため、早急な措置が必要になってきます。
患者さんには「粉瘤(アテローム)できやすい体質なのでしょうか」などの質問を受けることありますが、発生の原因は判らない場合が多数です。また、炎症の原因は細菌感染以外にも粉瘤が潰れることで老廃物が皮膚内部に広がることがあげられます。
粉瘤はくり抜き法・切開法の2つ手術法で摘出します。
くりぬき法
特殊な機械で粉瘤に小さな穴を開け、袋の内容物を揉み出し、粉瘤の袋がしぼんだ状態できれいに取り出す方法です。 手術時間は5分~20分と短い時間で負担も少ない手術法です。
切開法
局所麻酔を行った後、実際に切開を行い粉瘤を取りだしていきます。切開方法は、再発する可能性が低いため、患者様の状態によって切開法を選択する場合があります。 当院の治療は痛みを軽減し、手術痕も残らないような手術を行っています。 また、たとえ炎症性の粉瘤であっても、事前の診療で適切に判断し、基本的には入院せずに日帰りで手術が可能です。
老人性色素斑
老人性色素斑とは、一般的に「シミ」と呼ばれるものです。早ければ20歳台で、多くは30~40歳以降に出現します顔面・手背・前腕など日光(紫外線)にあたる部位によく見られます。
原因は、日焼けをすることによってシミの原因を作る黒色メラニンを過剰に作り出され、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。その際に、メラニンが十分に排出されなかったりすることによって生じます。
治療方法は「レーザーによる治療」と「内服薬による治療」があります。
レーザー治療
メラニンを直接破壊することによってシミを改善しています。
内服薬による治療
L-システインやビタミンCといった、肌細胞のベースとなる成分を摂取することで乱れた肌のターンオーバーの促進を図ります。
脂漏性角化症
ウイルス性のイボではなく、加齢とともに生じるイボです。30代ころから発症しはじめ、加齢とともに増えていきます。
主な原因は加齢と紫外線とされており、特に日光のよく当たる頭や顔などに多く見られます。大きさは数mm~3㎝くらいで、色は皮膚と同じ色から黒っぽいものまで様々です。
色素性母斑
色素性母斑は一般的には「ほくろ」と呼ばれています。ほくろが危険といわれる理由は、 皮膚がんと見分けことが非常に難しいからです。診療でも患者様から症状の状況をじっくり伺ってから検査をします。
ほくろが悪性である疑いが強い・リスクが高いと判断した場合には手術で切除した後に、病理検査を行うことで診断が確定します。
ニキビ
ニキビとは、おでこ、頬、口の周り、下あごなどにできる発疹のことで、おもに思春期から青年期にかけてよくみられます。 毛穴に皮脂がたまり、出口が炎症を起こして小さく隆起したもので、すぐに治ってしまう軽いものから、ニキビ痕になってしまうものまでさまざまあります。
毛穴の中で菌が増殖することで炎症を起こし、痛みや痒みなどの症状が現れます。 ニキビは自然治癒しますが、症状がひどい場合でも内服薬、外用薬やレーザーなどの保存療法で根治する可能です。
稗粒腫
稗粒腫は眼の周りによく出来る1,2mmの白色の小さな腫瘤です。 こすったり、ひっかいたりしてできてしまうパターンと、肌のターンオーバーが遅れることで、皮膚の中に角質が溜まってできてパターンがあります。また生まれつきある方や外傷、日焼け、化学的な損傷などにより出来る事もあります。
圧出という治療法で完治することが可能です。
顔のできものの治療方法について
当院での治療
顔にできてしまったできものの治療も、形成外科専門医により痛みを最小限に施術致します。また、気になる傷跡も残さないように丁寧に施術させていただきます。 また基本的に炎症性の粉瘤であっても「日帰り」での手術を行っています。 手術内容についても、患者様にわかりやすいように動画や写真を用いて丁寧に説明することを心掛けております。
顔のできものを予防する方法ある?
粉瘤などのできものは体質が原因であることが多いため、予防することは難しいです。 しかし、ニキビなどの場合は、毛穴に老廃物を溜まらないようにするといった治療を行うことで予防につながります。
また、肌のターンオーバーの乱れによって生じる肌トラブルも、ピーリング作用のある薬や、殺菌作用のある塗薬が保険適用としてよく使われています。
当院では、上記のような症状の治療を行っています。 治療に関するご相談やご予約など受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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できものが痛み出す場合はどんな原因が考えられるの?治療法や予防も解説
できものを触ってみたら、痛みを感じることはありませんか。 痛みを感じた場合は、病院で早急に治療する必要がある場合が多いです。
ここでは、症状と治療法をそれぞれ詳しく解説していきます。
痛みを感じるできものの原因や正体は?
痛みを感じるできものの正体としては次の3つが考えられます。 粉瘤 ・炎症性粉瘤 ・化膿性汗腺炎 それぞれの詳しい症状や原因を解説していきます。
粉瘤(アテローム)
まず、1つ目に考えられるのが粉瘤(アテローム)です。 粉瘤とは、表皮嚢腫とも呼ばれる良性の腫瘍です。皮膚の下に袋状の組織ができ、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まったものを粉瘤(アテローム)と言います。
はじめはほとんど目立つことはなく、ニキビやしこりのように感じます。しかし、粉瘤は放置すると皮膚が隆起するほど大きくなり、独特な臭いを放ったり、細菌などの感染により炎症を引き起こす可能性があります。 ニキビやふきでものと異なり、粉瘤(アテローム)は手術を行わない限り根治できないのが特徴です。 そのため、ご自身で潰してしまうと炎症の恐れがあり、さらに組織が残ると再発するため、早急な措置が必要になってきます。
患者さんには「粉瘤(アテローム)できやすい体質なのでしょうか」などの質問を受けることありますが、発生の原因は判らない場合が多数です。また、炎症の原因は細菌感染以外にも粉瘤が潰れることで老廃物が皮膚内部に広がることがあげられます。
炎症性粉瘤
2つ目に考えられるのが、炎症性粉瘤です。 炎症性粉瘤とは、粉瘤が炎症を起こして赤く腫れあがり、痛みを伴う状態のことを指します。 炎症を起こす主な原因は細菌感染と異物反応の2つです。
細菌感染
粉瘤の中には皮脂や垢といった老廃物が溜まっており、細菌が増殖しやすい環境になっています。そこに細菌が侵入することで炎症が起きます。
異物反応
また、粉瘤が圧力を受けるなどして、袋状の組織に溜まった老廃物が外に漏れだし、皮膚と触れることで炎症が起きることがあります。
炎症性粉瘤を放置しているとやがて増殖した細菌が全身にまわり、発熱を伴うこともあるので、早急な治療が必要です。
化膿性汗腺炎
3つ目に考えられるのが、化膿性汗腺炎です。 化膿性汗腺炎とは、汗を分泌する汗腺に感染が起こり、膿が溜まってしまう皮膚性の疾患です。 加齢や皮膚のターンオーバーの乱れによって汗腺に”つまり”が起き、汗を十分に出せないことが化膿性汗腺炎の主な原因になります。また、化膿性汗腺炎は、痛みや赤い腫れを伴うおできが繰り返しできてしまいます。
また、化膿性汗腺炎を放置すると、膿が溜まり続け、皮膚の下でおできがつながってしまう危険性もあるので、早急な治療が必要です。
できものが痛い時の治療方法について治療方法
次に、それぞれの治療法と治療後の注意点について解説していきます。
粉瘤
粉瘤の治療法には、くりぬき法または切開法の2つの方法があります。 どちらも粉塵を摘出する手術による治療方法です。
くりぬき法
特殊な機械で粉瘤に小さな穴を開け、袋の内容物を揉み出し、粉瘤の袋がしぼんだ状態できれいに取り出す方法です。 手術時間は5分~20分と短い時間で負担も少ない手術法です。
切開法
局所麻酔を行った後、実際に切開を行い粉瘤を取りだしていきます。切開方法は、再発する可能性が低いため、患者様の状態によって切開法を選択する場合があります。 当院の治療は痛みを軽減し、手術痕も残らないような手術を行っています。 また、たとえ炎症性の粉瘤であっても、事前の診療で適切に判断し、基本的には入院せずに日帰りで手術が可能です。
炎症性粉瘤
炎症性粉瘤の治療法には、抗生物質の内服、切開排膿、摘出手術の3つの方法があります。
抗生物質の内服
抗生物質の内服によって治療を行います。 しかし、粉瘤の炎症は細菌感染以外が原因の場合が多いため、必ずしも効果があるとは言えません。 ただ、抗生物質を服用しても大きな粉瘤の場合十分な効果を得られないことも多いので注意が必要です。
切開排膿
切開排膿は、粉瘤を切開し、老廃物の排出(排膿)を行い炎症の原因を排除する方法です。 しかし、再発のリスクや痛みが残るため、洗浄や経過観察のために通院が必要となります。
抗生物質の内服
イボの治療で保険が適用される方法は「液体窒素治癒」と「イボ剥ぎ法」です。
摘出手術
摘出手術は粉瘤の治療法と同様の方法で行いいます。 しかし、炎症性粉瘤の場合は通常の粉瘤とは違って被膜と呼ばれる袋状の組織を切除することが難しいので、摘出手術を行っても再発する可能性があります。
化膿性汗腺炎
化膿性汗腺炎の治療法としては、除去手術と投薬治療の2つの方法があります。
除去手術
患部を切開して膿を出したり、おできそのものを取り除く外科的処置が行われます。炎症部をしっかりと取り除き根治を目指します。
投薬治療
患部の状態によって除去手術を行えない場合など、抗菌薬の飲み薬や塗り薬、生物学的製剤※の注射薬を使用した治療を行います。
治療後の注意点
術後の注意点
特特に切開などの手術があった場合、術後当日・翌日は激しい運動や長時間の入浴などの血行が良くなる行為や、出血のリスクが高まる行動は控えて頂きますようお願いしております。 術後1~3日はガーゼーを貼り、血が滲むため毎日交換を行っていただきます。
血や体液でガーゼが汚れなくなったら、テープを貼って過ごすようになります。
傷痕
傷痕は2~3週間で一度硬くなり、徐々に柔らかくなっていきます。この時注意することは、シャワーはガーゼを交換すれば問題はありませんが、入浴は感染の可能性があるため抜糸までは避けて頂くようにお願いしております。
また飲酒についても治りが確実に悪くなるので、最低手術後3日間、可能ならば1週間は控えるようにしましょう。
できものが痛いと感じる前に予防はできるの?
ここまで、痛みを感じるできものの正体として、粉瘤と炎症性粉瘤、化膿性汗腺炎の症状と治療法について紹介してきました。 最後に、それぞれの予防策について解説していきます。
粉瘤の予防策
粉瘤は外傷による原因が多いため、怪我などに気を付けることが予防策の1つと言えるでしょう。 また、先ほども説明しましたが、粉瘤を放置してしまうと、炎症を起こしてしまう危険性があるので早急に治療を開始する必要があります。
化膿性汗腺炎の予防策
化膿性汗腺炎の予防策としては、汗をかきやすい脇の下などの汗腺を塞がないようにすることが挙げられます。 締め付けの強い下着の着用は避け、しっかりと乾燥させることが重要です。 ただ、体質の場合は予防することは難しいため、症状があまり出ていないうちに治療を症状が悪化しないようにすることが大切です。
当院では、上記のような症状の治療を行っています。 治療に関するご相談やご予約など受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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できもの(おでき)とは?代表的な症状・治療法を徹底解説!
できものとは?
できものとは、皮膚に生じる腫瘍やしこりのことです。種類によって体のあらゆる部位に生じ、また色や硬さも様々です。
そして、その原因は良性・悪性の腫瘍だけでなく、イボやニキビなどもあげられます。 できものには、痛みなどの自覚症状がないものがほとんどです。 しかし、進行した場合には痛みや出血、悪臭などの症状が出ることや、大きさや見た目が変化する場合があります。 悪性腫瘍の場合もちろんですが、イボや粉瘤であってもなるべく早期に手術することで、将来の負担を減らすことができます。
できものの種類
粉瘤(アテローム)
粉瘤(アテローム)とは、一般的に“しぼうのかたまり”と呼ばれることがあります。
しかし、実は本当の脂肪の塊ではありません。粉瘤とは、表皮嚢腫とも呼ばれる良性の腫瘍です。皮膚の下に袋状の組織ができ、そこに皮脂や角質といった老廃物が溜まったものを粉瘤(アテローム)と言います。
はじめはほとんど目立つことはなく、ニキビやしこりのように感じます。しかし、粉瘤は放置すると皮膚が隆起するほど大きくなり、独特な臭いを放ったり、細菌などの感染により炎症を引き起こす可能性があります。
ニキビやふきでものと異なり、粉瘤(アテローム)は手術を行わない限り根治できないのが特徴です。 そのため、ご自身で潰してしまうと炎症の恐れがあり、さらに組織が残ると再発するため、早急な措置が必要になってきます。
患者さんには「粉瘤(アテローム)できやすい体質なのでしょうか」などの質問を受けることありますが、発生の原因は判らない場合が多数です。また、炎症の原因は細菌感染以外にも粉瘤が潰れることで老廃物が皮膚内部に広がることがあげられます。
脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫(リポーマ)は脂肪細胞の良性腫瘍で、柔らかくて痛みのない、1cm~10㎝ほどの腫瘍のことで、アテローム、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)と呼ばれることもあります。
赤くならずに大きくなることもあり、この部分を圧迫すると臭いを伴うドロドロした液体が出ることがあります。この液体は内部に溜まっていた皮脂や角質で、細菌が侵入すると化膿してきて腫れや痛みを伴うようになります。そういった場合は、早急な治療が必要です。脂肪腫は自然治癒することはなく、手術しなくとも命に関わる事はありませんが、放置しているとどんどん大きくなるだけではなく、大きくなってから切除した場合、傷跡が残ってしまうデメリットがあります。そのため、大きくなる前に手術をし取り除くことが重要になってきます。
石灰化上皮腫(毛母腫)
顔、腕などに見られることが多い、0.5~5cm程度までの皮下腫瘍です。 症状は、皮膚の一部に石灰化が起こり、硬い石の様な塊ができますが、良性の腫瘍です。 基本的には痛みは生じませんが、押すと痛みが出たり、痒みを感じることがあります。
腫瘍が大きくなるにつれ、皮膚が薄い部分では青黒い色に見えることもあります。 感染や異物反応を起こすこともあり、その場合には、痛みや痒みが強くなります。 また、時には皮膚に穴が開いてしまうこともあるので手術して切除する事をおすすめします。 詳しい原因はまだ分かっていませんが、若年者の腕や頸などに発生することが多いです。 また、男性より女性の方ができやすい傾向があります。
ほくろ
「ほくろ」のことを医学用語では「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」と言います。 ほくろは、誰にでも1つは有ると思いますが、危険なものである可能性もあります。 理由としては、ほくろを皮膚がんと見分けることが非常に難しいためです。 診療でも患者さんからの症状や状況をじっくり伺ってから検査を行っています。
ほくろが悪性であると疑いが強い、リスクが高いと判断した場合には、手術で切除した後、病理検査を行うことで診断が確定します。当医院は患者様の症状や状況に合わせた適切な治療法を提案しますので、少しでも皮膚がんの特徴と似ていたる、ほくろが気になる方は診断を受けることをおすすめします。
イボ
「イボ」は、皮膚から盛り上がっている小さなできもののことを言います。炎症や日常生活に支障をきたすものもあるので、大きくなって綺麗に直すことが困難になる前に医者に相談するのが良いでしょう。
イボ(尋常性疣贅)
最も一般的なイボです。原因はHPVで、皮膚にできた小さな傷から感染し発症し、形状は様々あります。
水イボ(伝染性軟属腫)
水イボは、ウイルスでうつる病気で、子どもに移りやすいです。
老人性イボ(脂漏性角化症)
30代のころから出現し、加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍です。 加齢によりできやすいイボですが、20代で発症する方も少なくありません。 加齢と紫外線が主な原因です。遺伝の影響もあると言われています。
アクロコルドン(首イボ)
軟性線維腫とは、首や脇の下などにできやすい良性のイボのことです。 服や装飾品が引っかかり、チクチクすることや、炎症を起こすことがあります。
皮膚線維腫
成人女性に多く、腕、大腿部や脚などに現れる硬く隆起性の腫瘍です。 時折、痛みや痒みを生じますが無症状な事も多いです。原因ははっきりしていませんが、虫刺されや外傷に反応して発生することもあります。
基本的には外科的切除になります。 大きいものや、増加傾向にあるものは、まれにDFSP(隆起性皮膚線維肉腫)という悪性腫瘍との鑑別が必要なため、顕微鏡による検査(病理検査)を行います。大きくないものや症状のないものは経過観察とすることもあります。
外骨腫
別名、「外骨腫」とも呼ばれていて、骨腫瘍のなかで最も多い良性腫瘍です。 前額部や頭蓋では疼痛はありませんが、整容面の問題で切除を希望する患者さんが多いです。 基本的には手術による摘出を行います。骨に出来る腫瘍ですが、局所麻酔で切除することが出来ます。 創部は細かく縫合することで出来るだけ目立たないようにします。
ガングリオン
ガングリオンはなかにゼリー状の物質の詰まった腫瘤です。 関節には骨と骨を繋ぐ関節包があります。関節包の中には潤滑油である滑液が溜まっています。液体がなんらかの原因で外に漏れ出し、袋状の腫瘍になっています。
主に手関節に出来ますが、指の付け根の腱鞘などからも出来、治療は保存療法または外科的な摘出になります。 保存療法による穿刺吸引で再発を繰り返す場合に手術による治療を考慮する場合が多いです。
神経線維腫
柔らかく少し赤い良性の皮膚腫瘍で様々な大きさのものがあります。単発性のものと多発性のものがあり、多発性の場合にはフォン・レックリングハウゼン病を疑います。 痛み等の症状はありません。しかし、整容面で摘出する場合が多く、外科的な切除を行います。
神経鞘腫
末梢神経のシュワン細胞から出来る良性腫瘍で、皮下などの軟部組織に発生しますが、脳、脊髄、消化管など、いろいろな部位に生じます。 皮下の神経鞘腫は圧迫すると痛みを生じ、外科的に治療を行います。大きな神経から発生している場合には術後に神経障害が起きるため、慎重な治療が必要になります。
脂腺母斑
神経鞘腫は末梢神経の構成細胞であるシュワン細胞由来と考えられる良性腫瘍です。生まれつき存在する黄色のあざで、頭部によく出来るとされています。思春期あたりに大きくなり始め、その時に気づく場合もあります。 まれに腫瘤となり悪性化することもあるため、切除が考慮されます。
表皮母斑
出生時または幼少時から見られる表皮の過形成によるあざです。 新生児の1000人に約1人に発生するとされていますが、原因は不明です。 自然消退はなく、徐々に母斑の範囲も大きくなります。手術による切除か、メスで浅く削る治療を行うことがあります。
悪性のできものにはご注意
できものの中には悪性のものも存在するので注意が必要です。
良性との見極めについては、硬さや表面の状態がポイントとなってきますが、
完全に見極めるのは専門医の判断が必要です。
少しでも怪しいと感じたら、自己判断せずにクリニックにお越しください。
できものの治療方法
粉瘤の治療
粉瘤は以下の2つの手術法を用いて摘出します。
- くりぬき法
- 切開法
くりぬき法
特殊な機械で粉瘤に小さな穴を開け、袋の内容物を揉み出し、粉瘤の袋がしぼんだ状態できれいに取り出す方法です。 手術時間は5分~20分と短い時間で負担も少ない手術法です。
切開法
局所麻酔を行った後、実際に切開を行い粉瘤を取りだしていきます。切開方法は、再発する可能性が低いため、患者様の状態によって切開法を選択する場合があります。 当院の治療は痛みを軽減し、手術痕も残らないような手術を行っています。 また、たとえ炎症性の粉瘤であっても、事前の診療で適切に判断し、基本的には入院せずに日帰りで手術が可能です。
脂肪腫の治療
脂肪腫の治療は基本的には外科手術を行います。 他の疾患と鑑別するために診察を行い、最善の選択をしていただきます。
当院では傷跡を目立ちにくくするように、形成外科専門医が患者様の状態に合わせて最適な手法で手術致します。痛みの軽減はもちろん、脂肪腫の手術であっても適切に判断し日帰りでの手術を受ける事ができます。
石灰化上皮腫(毛母腫)
石灰化上皮腫の治療法は外科的切除になります。 簡便で侵襲もないためエコーにて診断を行い、手術を行います。 石灰化上皮腫は石の塊なので、状態によって取り出せる範囲を切開し、小さい穴を開けて石を砕きながら摘出する場合もあります。 また、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合もありますので、術後は病理検査にて判断が必要になります・
ほくろ
ほくろは、手術で切除し病理検査を行います。 治療では綺麗な仕上がりを心がけておりますので、安心してご来院ください。大半はレーザー治療を行っていきます。レーザー治療で悪性だった場合は、切除になる可能性があります。
イボ
イボの治療で保険が適用される方法は「液体窒素治癒」と「イボ剥ぎ法」になります。
液体窒素治療
冷凍凝固は皮膚のできものに-196度の液体窒素を当てて凍傷をおこしてできものを壊して取り除く治療です。 また、液体窒素治療は免疫を活性化させる効果があり、ウイルスの排除も期待できます。
イボ剥ぎ法
局所麻酔を行ったうえで手術によりイボを切除します。1回の治療での完治率が高く、形成外科で受けることで傷痕の心配もありません。
治療後の注意点
特特に切開などの手術があった場合、術後当日・翌日は激しい運動や長時間の入浴などの血行が良くなる行為や、出血のリスクが高まる行動は控えて頂きますようお願いしております。 術後1~3日はガーゼーを貼り、血が滲むため毎日交換を行っていただきます。
血や体液でガーゼが汚れなくなったら、テープを貼って過ごすようになります。 傷痕は2~3週間で一度硬くなり、徐々に柔らかくなっていきます。この時注意することは、シャワーはガーゼを交換すれば問題はありませんが、入浴は感染の可能性があるため抜糸までは避けて頂くようにお願いしております。
また飲酒についても治りが確実に悪くなるので、最低手術後3日間、可能ならば1週間は控えるようにしましょう。 患者様の体質や環境によってはケロイドや肥厚性瘢痕になる場合があります。 部位や傷・腫瘍の大きさなどによりこれらの制限の内容や期間は変わってきますので、状態を見ながら医師がしっかりご説明いたしますので、お気軽にご来院くださいませ。
できものの予防とは?
粉瘤ができる原因は体質であることが多いため、予防は難しいです。ただ、ウイルスやケガも原因のひとつであると言われているため、ニキビによる組織の破壊と治癒を繰り返すことで粉瘤ができる場合もあります。そのため、ニキビの治療をしっかり行うことで毛穴に老廃物を溜まらないように心がけることが重要です。
昔はビタミンCの内服や抗生剤を処方して経過で様子をみることが多かったのですが、現在ではピーリング作用のある薬や、殺菌作用のある塗薬が保険適用になります。角質をとることで皮膚の老廃物が溜まりにくくなり、皮膚の状態を正常化することができます。 市販のものよりも、しっかりクリニックで診断を受け、しっかりと予防していくことが重要になります。
当院での治療
当院ではまず手術の前の検査において、患者さんをしっかり診断していきます。 診断の結果と患者さんの状態に合わせた治療方法を詳しくご説明し、最善の治療を行います。
基本的に炎症性の粉瘤であっても日帰り手術を可能にしておりますので、短時間での処置をすることができます。 できものについて不安がある方、当院では丁寧な診察を心がけておりますので、お気軽にご来院ください。
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