※本ページには粉瘤(アテローム)の症例画像を掲載しています。患部の状態や摘出後の写真が含まれるため、画像によっては刺激が強いと感じられる場合があります。閲覧の際はご注意ください。
粉瘤は、皮膚の下の袋に角質などがたまってできるしこりです。このページでは、首・耳・臀部の症例写真と、治療後の経過を紹介します。
しこりの見た目が似ていても、粉瘤とは限りません。写真だけで診断したり、自分でつぶしたりせず、気になるしこりは診察で確認します。掲載写真はそれぞれの症例の一時点を示したもので、同じ術式でも傷跡や回復の経過には個人差があります。
粉瘤(アテローム)の基本知識
粉瘤は初期段階では小さなしこり程度ですが、時間の経過とともに徐々に大きくなり、数cm以上に達することもあります。
粉瘤の主な特徴は、以下のとおりです。
- ・皮膚の下に可動性のあるしこりができる
- ・中央に黒い開口部(へそ)が見られることがある
- ・破裂すると独特な臭いのある内容物が出ることがある
- ・炎症時は強い痛みと腫れを伴う
症状の出方は個人差がありますが、早期の対応が重要な疾患です。
粉瘤の症例画像
首の粉瘤画像と症例
部位は首、大きさは3cmの粉瘤です。3mmの穴から内容物と袋を取り除く、くりぬき法による治療を行った症例です。

写真:手術前

写真:内容物

写真:術後1ヶ月
写真は手術前、摘出した内容物、術後1か月の順に掲載しています。術後の写真は、この症例の撮影時点での状態です。傷の赤みや硬さが落ち着くまでの期間、傷跡の目立ち方は、部位や体質、術後の経過によって異なります。
主なリスクには、出血、感染、傷跡、再発などがあります。術式の選び方や傷の経過については、診察時にご説明します。
主なリスク:出血・感染・傷跡・ケロイド・内出血・疼痛・再発
首の粉瘤の特徴と原因
首にも粉瘤ができることがありますが、衣類との摩擦や汗だけを発症の原因と決めつけることはできません。粉瘤ができる詳しい原因は、はっきりしないことが多いためです。
しこりの大きさや深さ、炎症の有無によって、経過を見るか、くりぬき法・切開による摘出などを行うかを検討します。写真と同じ大きさであっても、同じ術式が適しているとは限りません。
参考:日本皮膚科学会「アテロームにはどんな種類がありますか?」
耳の粉瘤画像と症例
部位は耳で、皮膚を切開して摘出した症例です。写真は手術前、摘出した組織、術後1週間の状態を示しています。

写真:手術前

写真:内容物

写真:術後1週間
術後1週間の写真だけで、最終的な傷跡の状態は判断できません。腫れや赤み、傷跡の変化を診察で確認します。出血、感染、傷跡、再発などが起こる可能性もあります。
主なリスク:出血・感染・傷跡・ケロイド・内出血・疼痛・再発
耳の粉瘤の特徴と原因
耳のしこりには粉瘤以外のものもあり、診察で区別する必要があります。粉瘤ができる理由は不明な場合も多く、皮脂や摩擦だけで説明することはできません。
治療方法は、耳のどの部分にあるか、大きさ、炎症や癒着の状態などに応じて検討します。自己判断で内容物を出さず、痛みや赤みがある場合は早めに相談してください。
臀部(おしり)の粉瘤画像と症例
部位は臀部で、くりぬき法によって治療した症例です。写真は手術前、摘出した内容物、術後1か月の状態を示しています。

写真:手術前

写真:内容物

写真:1ヶ月後
傷の治り方や、座ったときの違和感などは症例によって異なります。写真だけから、痛みの改善や生活への影響まで判断することはできません。出血、感染、傷跡、再発などのリスクがあります。
主なリスク:出血・感染・傷跡・ケロイド・内出血・疼痛・再発
臀部の粉瘤の特徴と原因
臀部にも粉瘤はできますが、蒸れや圧迫、皮下脂肪の厚さを直接の発症原因と決めつけることはできません。治療方法は、部位や大きさだけでなく、炎症や皮膚との癒着なども確認して選びます。
術後の傷への負担や、入浴・運動などの注意点は処置内容によって異なります。自己判断で処置せず、診察時の指示に従いましょう。
参考:日本皮膚科学会「アテロームにはどんな種類がありますか?」
粉瘤の炎症症例
粉瘤は、袋が破れて内容物が周囲へ漏れることでも、赤く腫れて痛むことがあります。炎症があるからといって、すべてが細菌感染によるものではありません。細菌感染が重なる場合もあり、膿や炎症の状態に応じて治療を選びます。
炎症を落ち着かせる処置と、袋を取り除く摘出手術は目的が異なります。写真から処置の必要性や当日の摘出が可能かを判断することはできません。

粉瘤を放置するリスク
粉瘤を放置すると、以下のようなリスクがあります。
- ・徐々に大きくなる
- ・炎症を繰り返す
- ・痛みが強くなる
- ・手術範囲が大きくなる
- ・傷跡が残る可能性が高くなる
内容物が出ても、袋が残っていると再びたまることがあります。袋を取り除くには手術が必要ですが、症状がなく困っていない場合には、診断のうえで経過を見る選択肢もあります。
粉瘤と似たしこりや、放置する詳しいリスクについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
粉瘤と似ているできものの違いや見分け方
粉瘤を放置するとどうなる?
粉瘤の治療方法
症例からもわかるように、粉瘤の治療は外科的手術で袋ごと摘出するのが一般的です。主な治療方法は以下のとおりです。
- ・くりぬき法
- ・切開法
いずれの方法も重要なのは、袋(嚢胞)を完全に取り除くことです。取り残しがあると、再発するリスクが高まります。
治療にかかる時間や通院回数、傷の大きさは、部位や粉瘤の状態、選ぶ術式によって異なります。掲載症例の経過がすべての方に当てはまるわけではありません。
各手術方法の詳しい手順や、治療にかかる料金等については、以下のページで詳しく解説しています。
粉瘤(アテローム)の治療方法・日帰り手術について
まとめ
粉瘤は、首・耳・臀部などさまざまな部位に発生する良性腫瘍ですが、放置すると徐々に大きくなったり炎症を起こして痛みや腫れを伴ったりすることがあります。
当院では、粉瘤の状態や発生部位に応じて、傷跡や再発リスクに配慮した治療を行っています。「できるだけ傷を目立たせたくない」「痛みが出てきて不安」といったお悩みにも丁寧に対応いたします。
早期に適切な治療を受けることで、身体的な負担や治療期間を抑えられる可能性があります。気になるしこりや腫れがある方は、一人で悩まずお気軽にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。












