粉瘤(アテローム)とは

粉瘤(アテローム)の定義とは

粉瘤(アテローム)の定義とは袋状の組織が皮膚の下にできて、そこに垢や皮脂といった老廃物がたまったもので、アテロームや表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)と呼ばれることもある良性の腫瘍です。はじめはあまり目立たず、触れると小さなしこりがあるように感じます。この状態では特に問題はありませんが、粉瘤はサイズが大きくなったり、独特の臭いを生じるようになったり、細菌感染などにより炎症を起こすことがあります。炎症を起こして熱を持ち、化膿して強い痛みや腫れを生じた場合には、できるだけ早く膿を出す処置を行う必要になります。
ニキビだと勘違いされることがありますが、粉瘤はニキビと異なり自然治癒することはありません。ニキビは毛穴が詰まったものですが、粉瘤は袋状になった腫瘍で、袋状になった組織を完全に除去しない限り治すことができません。

粉瘤(アテローム)の原因

粉瘤が発症する原因

粉瘤が発症する原因粉瘤は皮膚の下に袋状のものができて、そこに垢や皮脂などの老廃物がたまった良性腫瘍です。どうしてたまってしまうかについては、まだよくわかっていません。
ヒトパピローマウイルスの感染や皮膚にできた外傷など、原因がはっきりわかることもありますが、こうしたケースはまれで、ほとんどは原因が明らかになりません。
体質的に粉瘤ができやすい方もありますし、複数の粉瘤ができるケースもあります。放置するとどんどん大きくなってしまったり、独特な臭気を発するようになったり、細菌感染などにより炎症を起こすことがあります。サイズが大きくなるときれいに治すことが困難になるため、できるだけ早い段階で受診することをおすすめしています。

 

炎症を起こす理由

粉瘤は炎症を起こして赤く腫れ、痛みを起こすことがあります。これまで、炎症は主に細菌感染が原因で起きているとされていましたが、そうではない理由で炎症が起こるケースがアメリカで報告されています。
粉瘤は皮膚の下に袋状の嚢胞ができて、中に老廃物がたまった良性腫瘍ですが、圧力によってこの嚢胞がつぶれて老廃物が皮膚内部に広がり、それによって炎症反応が起こっているというものです。そして、このタイプの炎症は細菌感染で起こるものよりも多いことがわかってきています。
細菌感染による炎症ではない場合、抗生物質を使っても思うような効果は現れません。そのため、こうした場合には速やかな手術が必要になります。ただし、細菌感染が合併することも考えられるため、抗生物質の処方を行うこともあります。

 

粉瘤はできるだけ早く摘出手術を

粉瘤は発症の原因がわからないことが多いのですが、良性の腫瘍です。皮膚にできる良性腫瘍では、ニキビ、おできに並んでよくある疾患です。ただし、ニキビやおできなど他の良性腫瘍と大きく異なるのは、手術でしか根治できないという点です。放置してもよくなりませんし、無理に潰すと炎症リスクが上がってしまいます。大きくなってしまうときれいに治すことが困難になりますし、独特の臭気を発するようになることも珍しくありません。
皮膚にしこりのようなものが触れたら、それ以上触らずにできるだけ早くご相談にいらしてください。

粉瘤(アテローム)の症状

初期の粉瘤は見た目の変化がないため、触れにくい場所にいできた場合には気付かないケースがよくあります。しこりのようなものに触れた場合もニキビだと勘違いされることが多くなっています。粉瘤は中の老廃物が時間経過とともに増えていき徐々に大きくなっていくことがあるため、そこでニキビとは違うとわかります。
粉瘤は独特の臭気を発することがあり、細菌感染などを起こすと化膿して熱感や赤み、腫れ、痛みを起こします。

粉瘤による痛みについて

粉瘤が細菌に感染すると化膿して痛みを起こすことがあります。排膿処置と抗生物質によって炎症は解消できますが、粉瘤は薬物療法で治すことはできません。粉瘤の袋状の組織は残るため炎症を繰り返し起こす可能性があります。粉瘤を治療するためには、皮膚の下にある袋状の組織をきれいに除去する外科手術が必要です。
炎症が強くなると腫れが大きく広がってしまうことがあるため、痛みが現れたら早めに治療を受けるようおすすめしています。

炎症を引き起こすことも・・・

粉瘤は皮膚組織が袋状になったものですが、細菌などを排除するための免疫機能がなく細菌感染しやすい傾向があります。粉瘤には小さな穴が開いているので、そこから細菌が入り込むと感染して炎症を起こします。また、袋状の組織が壊れて老廃物が皮膚の内部に触れて炎症を起こすこともあります。炎症を起こした粉瘤は「炎症性粉瘤」と呼ばれます。しこりが気になって触れたり、ニキビと間違えて潰してしまうことから炎症を起こすケースが多いので、できるだけ触らないようにしてください。
炎症が起こると痛みや腫れ、赤み、熱感などの症状が起こります。進行して膿がたまると粉瘤の上にある皮膚がやわらかくなって、ちょっとした刺激で破れて悪臭のある膿が出てしまうことがあります。膿が出ずに腫れや傷みが激しくなった場合には、できるだけ早く膿を出す処置が必要になります。

当院の特徴

特徴1:診察した上で手術を決定します

まずは粉瘤であるかどうかを判断するために診察を行います。診察の結果をお伝えして、必要な治療についてご提案し、お考えをうかがいながら治療方針を決めていきます。
粉瘤の手術は外来で受けることができ、お身体へのご負担も少ないものですが、患者様にとってはご不安があって当然ですし、手術後の傷の治りなども気になると思います。そこで当院では、患者様がご自分に適した治療方法を選択できるよう、そしてご不安なく治療を受けていただけるように事前のご説明を大切に考えています。

 

特徴2:痛みを抑えた手術

痛みを抑えた手術手術では局所麻酔で痛みを軽減させています。局所麻酔を注射する際の痛みにも配慮し、極細の針を使用し、薬剤の配合にも工夫するなどの対応を行っています。
また、特に痛みを苦手とする方には、個別の対応も可能です。痛みをなくすためのさまざまな方法をご提案できますので、安心してご相談ください。

 

特徴3:入院が不要の日帰り手術に対応しています

短時間で手術が終了当院では、基本的に粉瘤の摘出手術を日帰りで行っています。ただし、炎症がひどい場合には、抗生物質を投与して炎症を鎮めてから、改めて後日、手術を行うこともあります。
また、事前診療で炎症の有無、粉瘤の大きさや数などによって、日帰り手術が可能かどうかを慎重に判断しています。手術で全身麻酔を必要とする場合、また悪性の腫瘍である可能性がある場合などでは当院と提携している大学病院などをご紹介してスムーズな治療を受けていただけるようにしています。

 

特徴4:粉瘤手術は保険適用

粉瘤手術は保険適用粉瘤手術は保険適用粉瘤の治療にあたっては、検査、診断、手術、病理検査といった一連の診療にはすべて、健康保険が適用されます。そのため、経済的な面でもご安心いただけます。また、公費などもすべて適用されます。
また、個人で医療保険に加入されている場合、契約内容によっては手術給付金を受けられる場合もありますので、事前に加入している保険内容を保険会社にご確認ください。

特徴5:短時間・傷が目立たない手術を提供

手術後の注意点数㎜程度で小さく、炎症を起こしていない場合、診察後にすぐ手術で摘出できることもあります。手術自体は5~10分程度で、長くても20分以上になることはほとんどありません。
それ以上に大きい粉瘤の場合は、手術からの早い回復、術後の無用なトラブル回避を考慮して、後日の手術となります。その場合には、診療後に手術のご予約をお取りいただいています。

粉瘤の治療

切開法またはくりぬき法により腫瘍を摘出します。局所麻酔を行う際の注射針が刺さる時の痛みを軽減するために極細針を使用しています。通常どの病院でも局所麻酔では1%エピネフリン入りキシロカイン・0.5%エピネフリン入りキシロカインを用いていますが、pH3.5~5と酸性に偏っているため刺激があります。当院では、7%メイロンを混ぜることでpH7と中性に近づけ、局所麻酔注入時の痛みも軽減しています。
また、局所麻酔後に患者の状態によっては、生理食塩水、局所麻酔を注入することにより、皮膚と周囲組織の隔離をすることもあります。

治療法1:くりぬき法

特殊な器具で粉瘤に小さな穴をあけ、そこから粉瘤の内容物を絞り出した後に、しぼんだ粉瘤の袋を抜き取る方法です。出来るだけ小さな切開により腫瘍を摘出することが出来ます。また手術時間も短縮出来ます。
しかし、袋の取り残しによる再発率も上がります。より綺麗に、より再発しにくく仕上げるためには、繊細な技術力と美的センスを持つ執刀医による手術が必要とされます。
手術時間は5分から20分です。

Step1

Step1腫瘍周囲に局所麻酔を行います。

Step2

Step2トレパンまたはメスを使用し、皮膚を小さく、くり抜きます。

Step3

Step3内容物を排出します。

Step4

Step4被膜を丁寧に取り除きます。

Step5

Step5十分に止血を行い、創部の閉創を行います。

治療法2:切開法

腫瘍の直上に切開を加え、粉瘤を丸ごと切除します。
再発率も低く、切開法による手術を選択させて頂く場合もあります。

Step1

Step2腫瘍周囲に局所麻酔を行います。

Step2

Step3メスで切開します。

Step3

Step4内容物を排出します。

Step4

Step5腫瘍を一塊に摘出します。

Step5

Step6dog earを作らないように紡錘形に切開ラインをデザインします。

Step6

Step1十分に止血を行い、創部の閉創を行います。

手術までの流れ

ご予約をいただいた場合、その日に手術できます。ご予約いただいていなかった場合も数mm程度の小さな粉瘤は、すぐにその場でお取りできますが、数cm以上の大きな粉瘤は診察後に予約をお取りいただき、改めて予約日に手術をさせていただいております。すぐに粉瘤をとりたいという方は、ご予約をいただきたいと思います。

術後

術後はガーゼを貼って帰宅します。
毎日ガーゼを交換して頂き、ガーゼが汚れなくなったらテープを張って頂きます。1~3日はガーゼが出血で滲みます。ガーゼ交換の際にシャワーで傷を流して頂いても大丈夫です。お風呂は抜糸までは避けて頂いた方が感染を防ぐことが出来ます。
傷は2から3週間で硬くなりますが、徐々に柔らかくなります。体質によっては肥厚性瘢痕やケロイドになる場合があるため注意が必要です。

副作用

大きさにもよりますが切開した部位の傷跡が全く残らないということはありえませんが、できるだけ目立たない方法で行います。なお、手術当日と翌日の飲酒・運動、手術当日の入浴は、出血の可能性があるため控えて下さい。また、処方薬でのアレルギー症状など副作用がある方もおられます。また再発のリスクもあるため、注意深く手術を行います。

症例

症例粉瘤の症例を術前と術後の写真を手術内容及びその料金と共に紹介しております。粉瘤は様々な原因があり、人によって粉瘤の見た目も異なります。「粉瘤かな」と疑ったらまずこちらのページを参照して見てください。また術後どうなるのかも見ていただくことができます。

粉瘤の治療にかかる費用

露出部(顔、首、肘から指先まで、膝から足先まで)の場合、切除した粉瘤の直径の合計

3割負担の場合 1割負担の場合
2cm未満 5,310円~5,910円程度 1,770円~1,970円程度
2cm〜4cm未満 11,340円~11,940円程度 3,780円~3,980円程度
4cm以上 13,410円~14,010円程度 4,470円~4,670円程度

非露出部の場合(露出部以外)切除した粉瘤の直径の合計

3割負担の場合 1割負担の場合
3cm未満 4,170円~4,780円程度 1,390円~1,590円程度
3cm〜6cm未満 10,020円~10,630円程度 3,340円~3,540円程度
6cm以上 12,810円~13,420円程度 4,270円~4,470円程度