顔のできものの治療は必要?予防はできるの?徹底解説!

顔のできものには、粉瘤、脂肪腫、ほくろ、イボ、ニキビなど、さまざまな種類があります。見た目が似ていても、治療の必要性や方法は同じではありません。

まずは診察で種類と状態を確認し、経過を見るか、薬や処置・手術を行うかを検討します。顔の治療では、期待できる効果に加えて傷跡や術後の変化も含めてご説明します。

顔のできものについて

脂肪腫(リポーマ)

脂肪腫は、脂肪細胞からできる良性の腫瘍です。一般にはゆっくり大きくなるしこりとして気づかれますが、しこりを触っただけで脂肪腫と確定することはできません。

診察では、大きさや深さ、増大の経過などを確認し、必要に応じて画像検査や組織の検査を検討します。「脂肪腫」と、見分ける必要がある別の腫瘍は区別して考えます。すべてを急いで切除するのではなく、症状や検査結果、生活への影響を踏まえて手術の必要性をご相談ください。

参考:日本皮膚科学会「脂肪腫とは違うのですか?」

粉瘤(アテローム)

粉瘤は、皮膚の下にできた袋に角質などがたまる良性のできものです。顔の小さなしこりが、すべて粉瘤とは限りません。ニキビなどとの区別には診察が必要です。

袋が破れて内容物が周囲へ漏れると、細菌感染がなくても炎症を起こすことがあります。自分で押し出したり、針を刺したりしないでください。強い痛みや赤みの拡大、発熱があるときは早めにご相談ください。

無症状で困っていない場合は経過を見る選択肢があります。大きくなる、炎症を繰り返す、見た目が気になる場合などには、袋を取り除く手術を検討します。発症の詳しい原因は分からないことも多く、強く洗うことで予防できるものではありません。

参考:日本皮膚科学会「アテロームとはどんなものですか?」、日本皮膚科学会「アテロームにはどんな種類がありますか?」、日本皮膚科学会「化膿することがあると聞きましたが?」

くりぬき法

小さな穴から内容物と袋を取り除く方法です。適しているかどうかは、大きさに加えて、部位、炎症、皮膚との癒着などを確認して判断します。すべての粉瘤を同じ方法で治療できるわけではありません。

手術時間や傷の経過には個人差があります。小さな穴で処置する方法でも、傷跡や出血、感染、再発の可能性があります。

参考:日本皮膚科学会「治療はどうしますか?」

切開法

皮膚を切開して袋を摘出する方法です。炎症が強い場合には、先に炎症や膿に対する処置を行うこともあります。摘出の時期や切開の範囲は、状態を見て判断します。

顔では傷の位置や縫い方、術後のケアも含めて検討しますが、傷跡が全く残らないとはいえません。日帰りで対応できるか、当日に摘出できるかも、診察で確認します。

老人性色素斑

一般に「シミ」と呼ばれるものの一つで、顔や手の甲など、日光を受ける部位に見られる茶色の色素斑です。紫外線や加齢との関係がありますが、似た色の病変がすべて老人性色素斑とは限りません。

治療を希望する場合は、診断のうえでレーザーや光治療などの適応を検討します。薬を用いるかどうかも、併存するシミの種類や目的に応じて判断します。特定の成分を飲めばシミがなくなるとはいえません。

参考:日本臨床皮膚科医会「しみ」

脂漏性角化症

加齢や紫外線などに関連して生じる、良性のできものです。顔や頭などに見られ、茶色から黒っぽい色を呈することがあります。ウイルスが原因となるイボとは異なります。

治療を希望する場合も、まずは診察で種類を確認します。外観だけでは区別が難しいものを、自己判断で削ったり、市販のイボ治療薬で処置したりしないでください。

色素性母斑

一般に「ほくろ」と呼ばれるものです。多くは良性ですが、似た見た目の別の病変もあるため、診察で確認します。必要に応じてダーモスコピーなどで観察し、診断が難しい場合には組織の検査を検討します。

ほくろだから必ず切除が必要というわけではありません。一方、診断がつかないままレーザーなどで処置せず、まずは種類を確かめてから治療方針を一緒に考えていきます。

参考:日本皮膚科学会「ホクロを取りたいのですがどうしたらよいでしょうか?」

ニキビ

毛穴の詰まりや皮脂、炎症などが関わる皮膚の病気です。赤く腫れるものだけでなく、白や黒の小さなぶつぶつとして現れることもあります。

治療は、症状に応じた外用薬や内服薬などを選び、良くなった後も再発を抑えるケアや治療を検討します。「自然に治る」と放置したり、自分でつぶしたりせず、炎症を繰り返す場合や痕が気になる場合はご相談ください。

参考:日本皮膚科学会「にきびは、どうしてできますか?」、日本皮膚科学会「皮膚科での治療法は?」

稗粒腫

目の周りなどにできる、角質を含む小さな白いできものです。似た白いぶつぶつにも別の種類があるため、見た目だけで決めつけないことが大切です。

気になる場合は、診断のうえで内容物を取り出す処置などを検討します。目の近くを自分で針などで処置することは避けてください。

参考:日本皮膚科学会「アテローム(粉瘤)Q10」(眼のまわりの白いぶつぶつ)

顔のできものの治療方法について

当院での治療

治療は、できものの種類、部位、大きさ、炎症の有無などを確認して検討します。薬や処置、手術それぞれの目的と限界に加え、痛み、傷跡、再発などのリスクもご説明します。

当日の処置や日帰り手術が適切かどうかは、診察で判断します。術後の過ごし方や再診についても、処置内容に応じてご案内します。

顔のできものは予防できる?

予防や日常ケアの役割は、できものの種類によって異なります。粉瘤は発症の原因が不明なことも多く、洗顔や保湿だけで確実に防ぐことはできません。

ニキビでは、肌を強くこすらない洗顔と保湿に加え、必要な治療を継続することが大切です。紫外線対策は肌を守るために役立ちますが、脂肪腫やほくろなど、すべてのできものを防ぐ方法ではありません。

気になるできものがある場合は、種類を確かめたうえで、自分に合うケアや治療をご相談ください。

参考:日本皮膚科学会「日常生活で注意することはありますか?」

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院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医としてさまざまな手術経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療に携わり、聖路加国際病院では顔面領域の形態手術、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術にも携わってきました。

この経験を活かし、全身にできる腫瘍の切除において、形成外科的な視点から機能面と整容面の両方に配慮した治療をご提供したいと考えています。