刺青を除去の治療方法

目次

刺青除去について

最近刺青は入れる方は増えており、オシャレの一環としても刺青を入れる方がいらっしゃいます。
刺青は別名で「和彫り」とも呼ばれ、針でタトゥーよりも皮膚の深いところまでインクや墨汁を注入することで、半永久的に模様や色を残すのが特徴です。
皮膚の真皮内に注入するため、年齢を重ねても消えることは絶対にありません。

しかし、最近では刺青の除去を希望する方が多く、当院でも除去治療を始めることにしました。
この記事では、刺青を除去する理由やその治療方法をご紹介します。

刺青除去をする主な理由

・就職活動に影響が出そうなため
・結婚が決まったが相手には隠したいため
・温泉等の公共施設に入れなくなるのが嫌なため
・刺青があるせいで生命保険に入れないと言われた など

海外では当たり前にタトゥーを彫って生活されている方も多いですが、上記のように、日本では刺青が生活を制限する場面があります。
一度は決意をして入れた刺青ですが、今後のことを考えて除去をする方が多いようです。

刺青除去の方法

当院では、ピコレーザー・切除法・皮膚移植の3つの方法で刺青除去を行っています。
ここからは、各治療方法についてメリットやデメリットなども含めて詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

ピコレーザー

ピコレーザーは大きな刺青の粒子を段階的に微粒子へと破壊することで、身体の代謝によりきれいに除去する治療法です。
ピコレーザーは最新のレーザー治療であり、従来のピコ、ヤグ、アレキサンドライト、ルビーレーザーといった治療では対応が難しかった赤色や黄色などの明るい色にも効果を発揮することができます。
またピコレーザーは従来のレーザーよりも少ない回数で刺青を除去することができるため、明るい色などの刺青がある方、早く刺青除去を希望している方におすすめです。

レーザー治療のメリット

・レーザーの照射時間は10分~20分程度と短い時間で、治療が可能
・皮膚を切除する必要がないため、傷痕が残らない
・広範囲にも対応することができる
・刺青除去治療では最も痛みが少ない

×レーザー治療のデメリット

 ・2,3ヶ月に1回通院していただく必要があり、刺青の状態にもよりますが5~10回程度の照射が必要になる(治療期間は約1年)
 ・大きさや刺青の状態によって料金が高くなってしまう
 ・明るい色や深くまで彫ってある刺青の場合、完全に消えない可能性がある

術後は稀に下記のような副作用が出る可能性があります。

・感染
・色素沈着
・色素脱失
・水ぶくれ
・かさぶた
・ケロイド
・赤み など

切除法

切除法は刺青がある部分を切り取り、その後周りの皮膚を縫い合わせる治療法です。
小さいものでしたら一度で切除ができますが、大きいものですと皮膚の余裕なども考えて数回に分けて行う場合もあります。
皮膚を切除するので、刺青を完全に除去することができますが、施術の痕は他の治療法と比べて残りやすい傾向にあります。

切除法のメリット

 ・1度の治療で刺青を除去することが可能
 ・レーザー治療で効果を左右する色の明るい刺青も問題なく対応できる
 ・抜糸も1~2週間後に行うため、ダウンタイム(施術を受けてから日常に戻るまでの期間)も少なく済む

切除法のデメリット

 ・傷跡が残ってしまう
 ・背中一面のような広範囲の刺青には対応が難しい
 ・術後の痛みなど、患者様への負担が大きい

術後は稀に下記のような副作用が出る可能性があります。

・感染
・ケロイド
・血腫
・ひきつり
・縫合不全

皮膚移植

皮膚移植は皮膚を浅く削り、患者様自身の別の部位から皮膚を移植する治療法です。
切除法と異なり、広範囲の刺青治療に適しています。
移植された皮膚が周囲と異なり目立つことや、削り採った部分と刺青を除去した2か所に傷痕が残ることがあります。

皮膚移植のメリット

 ・1度の治療で刺青を除去することが可能
 ・短期間での刺青の除去が可能
 ・広範囲の刺青にも対応できる

皮膚移植のデメリット

 ・皮が定着するまで1週間程度、患部をかばう必要がある
 ・移植元と移植先の両方に傷痕が残ってしまう
 ・術後の痛みなど、患者様への負担が大きい
 ・周囲の肌の色や質感と異なってしまうため、美容の観点では不向き

術後は稀に下記のような副作用が出る可能性があります。

・感染
・色素沈着
・ケロイド
・腫れ
・内出血

刺青除去の治療方法は、「就職活動のために早く除去したい」などの患者様の要望や「カラフル」な刺青など、それぞれの状況で大きく変わってきます。
また刺青は基本的に「自彫り」やタトゥーよりも肌に入る針が深くなっています。そのため、自分の刺青がどこまで深く彫られているのか、レーザーで除去可能な色なのかをご自身で判断することは難しいのです。
刺青の色や状況、範囲なども含めて医師に相談することで、患者様に最適な刺青除去方法を提案いたします。

治療の流れ

Step1.カウンセリング

形成外科専門医が、患者様のご要望をお伺いした上で治療方針などを決めていきます。治療方法や術後の経過などについても詳しくご説明します。傷の治り方や綺麗に治すためのポイントなどについてのご質問にも丁寧にお答えしていますので、気になることがありましたら些細なことでもご質問ください。
また、事前の診察で患部の状況を把握した上で、日帰りでの手術が可能かを慎重に判断します。

Step2.施術・検査

カウンセリングでご納得いただいた手法を用いた手術を行います。
ピコレーザー治療の場合、手術の所要時間は○○分です。
また、手術の際は局所麻酔を用いて痛みを軽減させます。局所麻酔を注射する際も、極細の針を使用し薬剤の配合も工夫するなど痛みを軽減する配慮を行っています。

Step3.施術後・経過観察

レーザー照射後は患部に炎症を抑えるクリームを塗布してガーゼを当てます。当日はシャワーが可能ですが、湯舟に浸かるのは避けてください。
術後1ヶ月ほど経つと、刺青の輪郭が薄くなったと実感できるようになります。

よくある質問

Q.治療後の痛みはありますか?

A.手術中は麻酔を使うため、痛みを感じることはありません。
 しかし術後は皮膚のツッパリを感じたり、鈍痛を伴うことがあります。

Q.入院の必要はありますか?

A.基本的には入院の必要はありません。

Q.レーザー除去の痛みはどのくらいですか?

A.人によっては、ゴムで弾かれたような痛みを感じることがあります。
 痛みが気になる方には、麻酔をすることも可能です。