ニキビ跡が残る原因は、炎症によって皮膚の深部までダメージが及び、修復過程で色素沈着や瘢痕が傷ついてしまうことです。そしてニキビ跡には主に以下の4つの種類があります。
- ・クレーター
- ・赤み
- ・色素沈着
- ・肥厚性瘢痕(ケロイド)
ニキビ跡が残る原因と4つの種類
クレーター
クレーター状のニキビ跡とは、炎症が真皮層まで達し、組織が破壊されてできた皮膚の凹みのことです。特に頬やこめかみなど皮脂の分泌が多い部位にできやすく、ニキビを繰り返したり、無理に潰したりすると悪化していきます。
一度クレーター状になると自然治癒が難しく、セルフケアでは改善しづらいため、クリニックでの治療が推奨されています。またクレーターは形状により「ローリング型」「ボックス型」「アイスピック型」などの種類があり、それぞれに適した治療法を選ぶ必要があります。
赤み
ニキビ跡の赤みは「炎症後紅斑」と呼ばれ、炎症によって毛細血管が拡張・増生することで発生します。これは皮膚の修復過程の一部であり、自然治癒も見込めますが、炎症の繰り返しやターンオーバーの乱れにより数ヶ月から数年単位で長引くこともあります。
赤みの改善にはバランスのよい生活や紫外線対策が重要です。セルフケアで改善しない場合は、ビタミンC誘導体の活用や、医療用レーザー治療などを検討しましょう。
色素沈着
ニキビ跡の色素沈着は、炎症によってメラノサイトが刺激され、メラニンが過剰生成されることで起こる「炎症後色素沈着」です。見た目は、茶色や紫色のくすみとして肌に残る方が多いです。色素沈着は自然に薄くなる場合もありますが、ターンオーバーの乱れや紫外線ダメージによって定着してしまうこともあります。
治療には、生活習慣の見直しや美白成分を含むスキンケアが効果的ですが、早期改善を目指す場合はピーリングや内服薬などの専門的なケアがおすすめです。
肥厚性瘢痕(ケロイド)
ニキビ跡が赤く盛り上がった状態は、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内で収まるのに対し、ケロイドは傷の範囲を超えて拡大するのが特徴です。どちらも痛みやかゆみを伴うことがあり、自然治癒は難しい症状のひとつです。
治療には、ステロイド注射(ケナコルト)や内服薬、レーザーなどによるクリニックでの治療が推奨されます。肥厚性瘢痕はセルフケアでの改善は難しいため、自己判断は避けて医療機関で相談しましょう。
ニキビ跡を自力で治す方法と限界
ニキビ跡はセルフケアでの改善には限界があります。セルフケアでは治りにくい理由と共に解説します。
市販薬やセルフケアで改善が期待できること
薄い赤みや茶色い色素沈着タイプのニキビ跡であれば、市販薬やセルフケアでも一定の改善が期待できます。ビタミンC誘導体やレチノール(ビタミンA)を含む化粧品は、肌のターンオーバーを促し、赤みやくすみの軽減に有効です。特に赤みは毛細血管の残存によるものなので、時間とともに自然に薄くなるケースもあり、まずは様子を見て過ごしても問題ない場合が多いです。また、茶色い跡もメラニン生成の抑制と排出を意識すれば徐々に薄くなることがが見込めるでしょう。
一方、クレーター状の凹凸やセルフケアを数ヶ月続けても改善しない深い症状の場合は、自力での回復が難しく、クリニックでの治療が必要となります。
ニキビ跡がセルフケアで治りにくい理由
ニキビ跡がセルフケアで治りにくい最大の理由は、ダメージの深さにあります。市販の化粧品が浸透するのは、皮膚の表面にある「表皮」までです。しかし、クレーター状の凹みや根深い色素沈着は、その奥にある「真皮層」の組織が破壊・変性してしまっている状態です。
真皮層のダメージは、日常のスキンケアでは修復することができません。これが、どれだけ高級な化粧品を使ってもクレーターが治らない理由です。根本的に改善するには、医療機器を用いて真皮層に直接アプローチする必要があります。
形成外科でできるニキビ跡の悩み別治療4選
形成外科や美容皮膚科では、症状に合わせて以下のような専門治療を行います。
- ・「クレーター(凹み)」を治す治療法
- ・「赤み」を早く治す治療法
- ・「色素沈着」を治す治療法
- ・「肥厚性瘢痕(ケロイド)」を治す治療法
症状に応じて治療がことなるため、医師の診察の元、正しい選択をしましょう。
「クレーター(凹み)」を治す治療法
ニキビ跡の中でも特に凹凸が目立つ「クレータータイプ」には、ポテンツァやサブシジョンがおすすめです。
ポテンツァは微細な針を皮下へ刺入し、針先から高周波(RF)を照射する最新の治療器です。真皮層に熱エネルギーを与えることで、コラーゲンの生成を強力に促します。同時に薬剤(マックームなど)を均一に浸透させることで、凹みの改善だけでなく、肌のハリや毛穴の引き締めにも高い効果を発揮します。
サブシジョンは、特殊な医療用針を皮下に挿入し、凹みを下に引っ張っている線維組織を切断して皮膚を内側から持ち上げ、滑らかな肌へと再生を促していきます。特に「ローリング型」と呼ばれる丸みのあるクレーターに有効です。
線維の再構築とコラーゲン生成を同時に促すため、長期的な改善効果が期待できます。施術後は内出血や腫れなどが報告されていますが、時間の経過と共に改善していくのでご安心ください。
「赤み」を早く治す治療法
ニキビ跡の赤みには、Vビームプリマと呼ばれる赤みや炎症後紅斑に高い効果を発揮するレーザーがおすすめです。波長595nmのレーザー光が赤みの原因である余分な毛細血管内のヘモグロビンに反応し、これにより赤みの原因である拡張した血管やアクネ菌を鎮静化することで改善を促していきます。
また、皮脂の分泌を抑える作用もあり、ニキビの再発防止にも期待できます。Vビームプリマは、痛みやダウンタイムが少なく、敏感肌の方でも受けやすい点で人気を集めている治療法です。症状によっては保険適用となる場合もあるため、まずは医師にご相談ください。
「色素沈着」を治す治療法
色素沈着には、ピーリングや内服薬がおすすめです。
ピーリングは、肌表面の古い角質やメラニンをなどの細胞を取り除き、ターンオーバーを正常化させる治療法です。形成外科では、医師が肌の状態に合わせて薬剤の濃度を調整しながら安全に施術を行うため、初めての方でも安心して受けられます。
特に、ニキビ跡の茶色い黒ずみやざらつきが気になる方に推奨しており、定期的に受けると肌の透明感もアップしていきます。
一方の内服薬は、体の内側から肌トラブルにアプローチする方法です。代表的な成分には、ビタミンCやL-システインなどがあり、メラニンの生成を抑えて肌の代謝を整えていきます。
医師の診断に基づいて処方されるため、自分の症状に合った成分を的確に摂取できるのもメリット。外用薬やレーザー治療と併用すると、より早い相乗効果が期待できます。
「肥厚性瘢痕(ケロイド)」を治す治療法
ケロイド状のニキビ跡には、内服薬(リザベンなど)やステロイド注射(ケナコルト)、レーザー治療などを組み合わせた治療を行います。
内服薬では抗アレルギー薬のリザベンが保険適用となり、赤みやかゆみを緩和する効果があります。そしてステロイド注射は、盛り上がった組織の炎症を強力に抑え、平らにする効果があります。
また、レーザー治療では、VビームやYAGレーザーなど、症状に合わせて選択されます。ケロイドは再発しやすいため、専門医の指導のもとで根気強く治療を続けることが大切です。
セルフケアと医療治療のメリット・デメリット
セルフケアと医療治療には、メリットとデメリットがあります。症状に応じた最適な治療法を見つけてください。
セルフケアのメリット・デメリット
セルフケアは、手軽に始められ費用を抑えられる点が最大のメリットです。市販薬やビタミン配合のスキンケアアイテムなどで肌のターンオーバーを整えれば、軽度の赤みや色素沈着の予防・改善が期待できます。
しかし、クレーター状のニキビ跡など、真皮層までダメージを受けた場合には、改善が不可能です。重度のニキビ跡には、セルフケアでは十分に効果を実感できない方も多く、悪化する可能性があることを認識しておきましょう。効果を感じられないままケアを続けると、かえって時間と費用の浪費になってしまうことや、間違ったケアで悪化させてしまうリスクがある点がデメリットです。
医療治療のメリット・デメリット
医療治療は、皮膚の深層にまでアプローチできるレーザー・注射・内服薬などを用いて、皮膚の深層(真皮)に直接アプローチできる点がメリットです。医師による診断のもと、肌質や症状に合った適切な治療が選べるため、セルフケアでは難しい症状にも効果が期待できるのが魅力となります。また、治療の即効性や専門的なアフターケアが受けられるため、安心して治療に専念できます。医師の管理下で行うため、トラブル時の対応も安心です
一方で、治療内容によっては自費治療となって高額になりがちな点がデメリットです。また、ダウンタイムや副作用を伴うケースもあるため、事前の説明をしっかり受けてから治療を受けるか否かの判断することが大切です。
まとめ
ニキビ跡を早く治すには、症状の深さと種類に合った正しいアプローチが不可欠です。軽度の赤みや色素沈着は生活習慣やスキンケアの見直しで改善が期待できますが、クレーターや長引く赤みはセルフケアでは限界があります。そのため、肌状態を見極めて早めに専門医へ相談することをおすすめします。
当院は、できもの専門のクリニックで、ニキビについても精通している医師が多数在籍しています。豊富な治療の中から最適な治療を提案しておりますので、ニキビ跡でお悩みの方は気軽にご来院ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多くの治療について解説しております。












