治療で変わる!瘢痕化した皮膚に効果がある治療法とは?

「この傷跡、もう治らないのかも…」

「傷跡がひどいから、温泉やプールにも行けない」

「好きな洋服が着られない」

と諦めかけていませんか?

手術やケガ、火傷、帝王切開などの後に残る瘢痕(はんこん)は、多くの方が抱える深いコンプレックスの一つです。

しかし、瘢痕化は治療によって、完全には消えないけれど目立たなくすることは可能です。

本記事では、「瘢痕化」とは何かを丁寧に解説し、最新の治療法や費用、選び方までを徹底的にまとめました。

自分に合った選択肢を見つけ、前向きな一歩を踏み出しましょう。

 

瘢痕化とは?皮膚が変化して残る傷跡の正体

傷が治ったはずなのに、赤く盛り上がってしまい、皮膚が引きつってしまった「傷跡」は、医学的には「瘢痕」と呼ばれます。

1度できた瘢痕は完全に元通りにはなりませんが、適切な治療によって目立たなくすることは可能です。症状に合わせた治療法を選ぶことで、外見的な改善はもちろん、痛みや炎症などの不快な症状の軽減にもつながります。

瘢痕化とは、皮膚が傷ついたあとの部分が変化し、正常な皮膚とは異なる状態で再生されることを指します。瘢痕は、損傷した皮膚組織が修復される際に、コラーゲン線維が過剰に産生されることで形成されます。

通常の皮膚は、コラーゲン線維が規則正しく並んでいますが、瘢痕組織では不規則に配列し、硬く盛り上がった状態になることがあります。

なぜ瘢痕化は起こるのか?

瘢痕化は、皮膚が傷ついた後に起こる「創傷治癒プロセス」の一環です。皮膚は外部からの刺激に対して炎症を起こし、細胞が集まって新しい組織を作り出します。しかし、作り出す過程でコラーゲンが過剰に生成されると、元の皮膚とは異なるかたちで修復されてしまい、瘢痕が形成されます。

プロセスには個人差があり、体質、傷の深さや大きさ、感染の有無、そして治療開始のタイミングなどが大きく影響します。特にケロイド体質の人は、わずかな傷でも過剰な瘢痕化を起こしやすい傾向があります。

瘢痕化が起こる主な原因は、皮膚の真皮層、特に深層にまで及ぶ損傷が生じた場合です。傷が真皮の深い部分に達すると、体は損傷した組織を迅速に修復しようとします。この修復過程で、線維芽細胞がコラーゲンを過剰に生成する状態が『線維化』であり、瘢痕化の本質です。

コラーゲンの生成が過剰になったり、炎症が長引いたりすると、正常な皮膚とは異なる構造を持つ瘢痕が形成されやすくなります。また、傷の深さや炎症の持続、体質、部位などの要因によって瘢痕化を悪化させる可能性もあります。

ケロイド・肥厚性瘢痕・瘢痕拘縮とは

瘢痕にはいくつかの種類があります。代表的なのが「ケロイド」「肥厚性瘢痕」「瘢痕拘縮」です。

ケロイド

炎症が治まったあとも盛り上がりが続き、傷の範囲を超えて広がっていくのが特徴です。胸、肩、耳たぶなどに好発し、帝王切開の傷跡や胸元のニキビ跡から発生することも少なくありません。強いかゆみや痛みを伴うことがあり、自然に治ることはほとんどありません。

肥厚性瘢痕

傷が治る過程で線維芽細胞が過剰に働き、コラーゲンが必要以上に蓄積されることで、傷跡が赤く盛り上がり、硬くなる状態を指します。

ケロイドと似ていますが、肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内にとどまり、広がらないのが特徴です。主に外傷や手術の傷が治る過程で発生し、時間の経過とともに自然に改善する場合もありますが、放置すると目立ちやすくなることがあります。

瘢痕拘縮

皮膚が強く引きつれて動きが制限される状態です。特に関節や首など、筋肉の動きに合わせて皮膚が伸縮する部位にできた場合、日常動作に支障をきたすこともあります。

ケロイドと肥厚性瘢痕の違い

特徴 ケロイド 肥厚性瘢痕
発生範囲 傷の範囲を超えて広がる 傷の範囲内にとどまる
自然治癒 しにくい 時間とともに改善することも
痛み・かゆみ あり(強い) 軽度またはなし
治療反応 治療に時間がかかる 比較的効果が出やすい
好発部位 胸、肩、耳たぶなど 傷を受けた部位に応じる

上記の表のように、見た目や経過、治療の反応が異なるため、正確な診断が治療の第一歩です。

 

瘢痕化の治療法4選

瘢痕化の治療には、症状の程度や部位に応じてさまざまな方法があります。ここでは代表的な4つをご紹介します。

保存的治療(テープ・シリコンシート・薬)

初期段階や軽度の肥厚性瘢痕には、圧迫テープやシリコンシートを用いた保存的治療が有効です。炎症を抑え、皮膚の水分保持を助けることで、瘢痕の悪化を防ぎます。また、ステロイド外用薬や抗炎症薬なども併用されることがあります。

副作用が少なく、痛みもほとんどありませんが、改善には時間がかかるため、根気よく続ける必要があります。

ステロイド注射

盛り上がった瘢痕に対しては、ステロイドを直接注射する治療が行われます。炎症を抑制し、コラーゲンの過剰生成を防ぐことで、皮膚の厚みを改善します。1回の注射で効果を実感できることもありますが、数回の施術が必要な場合が多く、注射時は痛みを伴います。

レーザー治療

赤みや色素沈着、盛り上がりが目立つ瘢痕には、レーザー治療が有効です。特に色素に反応するレーザーは、炎症後の赤みを軽減する効果が期待できます。フラクショナルレーザーなどを用いて皮膚の再生を促す治療もありますが、ダウンタイムが数日~1週間程度生じることもあります。

外科手術(切除・皮膚移植)

重度の瘢痕拘縮やケロイドで保存的治療が効かない場合は、外科的な切除が検討されます。瘢痕を取り除いたあと、必要に応じて皮膚移植が行われます。

再発リスクがあるため、手術後もテープ療法や注射を併用するケースが多いです。手術には一定のリスクやダウンタイムがありますが、外見や機能の改善効果は大きいとされています。

 

瘢痕化の治療法別メリット・デメリット

治療方法によってメリットとデメリットが存在します。

ここでは、各治療法のメリットやデメリットを知り、自分に合った治療法を選択しましょう。

メリット・デメリットと費用比較

各治療法のメリットやデメリット、費用をまとめました。

自由診療の場合、費用は各クリニックによって異なります。

治療法 メリット デメリット 費用の目安(自由診療)
圧迫療法・外用薬 安全・自宅で可能 効果に時間がかかる 数千円〜1万円程度
ステロイド注射 即効性あり 痛み・皮膚萎縮のリスク 1回5,000〜15,000円
レーザー治療 色調改善に効果的 ダウンタイムあり 1回1〜3万円程度
外科手術 形状を大きく改善 再発・傷跡リスクあり 数万円〜十数万円

痛み・ダウンタイム・効果の持続性

治療選択において重要なのが、痛みやダウンタイム、効果の持続性です。たとえば、テープ治療はほぼ痛みがなく、日常生活に支障をきたしませんが、効果が出るまでに時間がかかります。

一方、ステロイド注射やレーザーは即効性がある分、治療中の痛みや赤みが生じることもあります。

また、瘢痕の性質によっては再発することもあるため、複数回の治療が必要となるケースも少なくありません。

保険適用になるケース/ならないケース

瘢痕治療は、すべてが自由診療ではありません。場合によっては、健康保険が適用される可能性があります。

保険適用となる例は、機能障害を伴う瘢痕拘縮の手術や痛み、炎症が続く肥厚性瘢痕への治療など、傷跡による生活への支障が認められる場合に適用されます。

一方、美容目的(見た目を良くするため)の治療、たとえば色素沈着の除去や軽度のケロイド治療などは、自由診療になることが多いです。自由診療だとクリニックによって費用に差が出ます。費用負担が大きくなるため、事前に確認しておくことが大切です。

 

瘢痕化治療のクリニック選びと相談のポイント

瘢痕化の治療は、皮膚の状態や瘢痕の種類によってアプローチが異なるため、経験豊富な医師のいる専門クリニックでの相談が不可欠です。特に梅田形成外科クリニックでは、瘢痕治療に力を入れており、ケロイドや肥厚性瘢痕、瘢痕拘縮といった幅広い症状に対して個別に最適な治療プランを提案できます。

以下のようなポイントを参考に、信頼できるクリニックを選びましょう。

  • ・治療法の選択肢が多いか
  • ・保険診療と自由診療の説明が明確か
  • ・カウンセリングでリスクや効果についてしっかり話してくれるか

梅田形成外科クリニックでは、初回カウンセリング時に治療のメリット・デメリットや費用、痛みの程度、治療期間などを丁寧に説明してくれるため、初めての方でも安心です。また、保険が適用になるケースについても詳細に案内してもらえるので、費用面での不安を軽減できます。

まずは専門の医師と相談し、自分の症状に合った治療法を選択することが、瘢痕改善への第一歩となります。

 

瘢痕化の治療なら大阪梅田形成外科粉瘤クリニックへ

本記事では、瘢痕化について詳しく解説しました。

瘢痕化は一度起こってしまうと自然には元通りになりませんが、適切な治療によって改善が期待できます。ケロイドや肥厚性瘢痕、瘢痕拘縮などの症状に応じた治療を受けることで、痛みや炎症の軽減、見た目の改善が可能です。

まずは、専門のクリニックで医師に相談し、自分に合った治療法を見つけることが第一歩です。保険適用の可能性も含めて丁寧にカウンセリングを行ってくれる医療機関を選びましょう。適切な治療と継続的なケアで、より良い皮膚の状態を取り戻しましょう。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

他にも多くの治療について解説しております。