- ニキビ跡が黒ずみになる原因とは?
- 黒ずみのタイプ別セルフ診断
- ニキビ跡の黒ずみを自宅で改善する方法
- 市販薬やセルフケアで「改善が難しい」理由
- クリニックで専門家の助けを求めるべき時
- 専門医がおすすめするニキビ跡の黒ずみ治療法
- ニキビ跡を作らない肌づくり:予防ケア
- 形成外科でニキビ跡治療を受けるメリット
- まとめ
ニキビ跡が黒ずみとして残る原因は、以下の要因が考えられます。
- ・黒ずみの正体は「炎症後色素沈着(PIH)」
- ・なぜ起こる? ニキビの炎症がメラニンを過剰生成するメカニズム
- ・放置すると消えない?自然に薄くなるケースと、治療が必要なケース
ニキビ跡が黒ずみになる原因とは?
黒ずみの正体は「炎症後色素沈着(PIH)」
ニキビ跡の黒ずみの正体は、「炎症後色素沈着(PIH)」と呼ばれる現象です。これはニキビによる炎症が治る過程で、メラノサイトが刺激され、メラニンが過剰に生成されてしまうことによって起こります。メラニンは通常、肌のターンオーバーで排出されますが、そのバランスが乱れると、黒ずみとして肌表面に残ってしまいます。
なぜ起こる? ニキビの炎症がメラニンを過剰生成するメカニズム
ニキビによる炎症が強くなると、肌はダメージから守るためにメラニン色素を多く生成します。とくに紫外線を浴びた場合や、患部を指で触ったり潰したりすると、その刺激でメラニン産生がさらに活発化します。こうした刺激が蓄積すると、皮膚の内部にメラニンが沈着しやすくなり、結果としてニキビ跡が黒ずみになって定着してしまうのです。
放置すると消えない?自然に薄くなるケースと、治療が必要なケース
炎症後色素沈着は、肌のターンオーバーが正常に働いていれば自然に薄くなるケースもあります。しかし、紫外線や乾燥などの外的刺激が続いたり、年齢や体質で代謝が低下している場合は、色素が沈着したまま残ることもあります。自然治癒が難しい場合は、美白成分のスキンケアや医療機関での治療を検討しましょう。
黒ずみのタイプ別セルフ診断
ニキビ跡の黒ずみは、主に以下4つの症状があります。
- ・茶色いニキビ跡:メラニン色素による色素沈着
- ・紫色のニキビ跡:ヘモグロビンの影響
- ・赤いニキビ跡:炎症後紅斑
- ・ニキビ跡の「黒いしこり」は色素沈着と別物?
ここではそれぞれの特徴を紹介しますので、ご自身の症状と照らし合わせてセルフ診断してみましょう。
茶色いニキビ跡:メラニン色素による色素沈着
茶色いニキビ跡は、炎症後色素沈着の一種ですが、その色合いや残り方には個人差があります。特に色白の方や敏感肌の方は、メラニンの影響が目立ちやすいため、薄い茶色い跡が残る方が多いです。
また、「ニキビを潰す」や「強くこする」などの刺激が加わるとメラニン色素が過剰反応しやすくなるのも特徴です。ニキビは治ったように見えても、皮膚の奥ではメラニン生成が続いていることがあるため、赤みが引いた後も継続的なケアが重要です。予防には低刺激の洗顔・保湿・摩擦を避けるのがポイントです。
紫色のニキビ跡:ヘモグロビンの影響
紫色のニキビ跡は、皮膚の炎症やダメージにより毛細血管が破れ、血液中のヘモグロビンが皮膚下に残ることで起こります。特に炎症が強いニキビや無理に潰した時に起こりやすく、内出血のような見た目になるのが特徴です。
時間の経過とともにヘモグロビンは分解されていくため、多くの場合は自然に薄くなっていきます。しかし、色がなかなか消えない場合は、ターンオーバーの乱れや血行不良が影響している可能性もあります。保湿やマッサージ、ビタミンC誘導体などのスキンケアを取り入れると早めの回復が期待できます。
赤いニキビ跡:炎症後紅斑
赤いニキビ跡は、炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)と呼ばれ、ニキビの炎症によって拡張した毛細血管が皮膚表面に透けて見えている現象です。炎症が治まっても赤みが残るのは、血流の多い状態が続いているためです。
特に思春期ニキビや強い炎症があった時に目立ちやすく、自然に薄れていきますが、数カ月以上残る方もいます。赤いニキビ跡は、保湿を徹底して刺激を避けましょう。
ニキビ跡の「黒いしこり」は色素沈着と別物?
ニキビ跡に残る「黒いしこり」は、単なる色素沈着とは異なり、皮膚の内部で起こっています。これは、炎症が強く肌の深い部分までダメージを受けた際に、真皮層でコラーゲンが過剰に生成・蓄積されてできる硬いふくらみです。
皮膚は傷を修復する際に細胞を急速に増やしますが、その過程でしこりのような盛り上がりが残ることがあります。赤黒く見えることもあり、色素沈着と見分けがつきにくい場合もありますが、触れると硬く動かないのが特徴です。黒いしこりはニキビ跡だと思っていても、粉瘤など別の皮膚疾患との区別が難しいため、しこりが長引く場合は早めに医療機関に相談しましょう。
ニキビ跡の黒ずみを自宅で改善する方法
ニキビ跡を自宅で改善するには、以下の方法を取り入れてみましょう。
- ・美白・抗炎症成分を取り入れたスキンケア
- ・紫外線対策を徹底する
- ・栄養バランスとビタミン摂取を意識する
美白・抗炎症成分を取り入れたスキンケア
ニキビ跡の黒ずみには、美白と抗炎症成分を取り入れたスキンケアがおすすめです。炎症が残る赤みには、グリチルリチン酸やアラントイン、ツボクサエキスなど鎮静成分を含んだ化粧水や乳液で優しくケアしましょう。
また、色素沈着にはビタミンC誘導体やトラネキサム酸、ハイドロキノンなどを含む美白化粧品が有効です。毎日のスキンケアでしっかりと保湿してターンオーバーを整える意識をしましょう。
紫外線対策を徹底する
紫外線はメラニン色素の生成を促進し、炎症後の色素沈着を長引かせるため、紫外線対策が重要です。特に紫外線を浴びた直後は肌が敏感になりやすく、色素沈着のリスクが高まります。
日焼け止めは毎日欠かさず使用し、曇りの日や室内でも油断は禁物です。さらに、帽子や日傘、UVカットの衣類などを活用して直射日光を避けるようにしましょう。
栄養バランスとビタミン摂取を意識する
黒いニキビ跡を改善するには、肌のターンオーバーを整えるために栄養バランスの取れた食生活が欠かせません。特に、タンパク質やビタミンA・B群・E、亜鉛、ポリフェノールなどは、肌の再生や抗酸化作用に役立つため、積極的に取り入れてみるのもおすすめです。
そして暴飲暴食を避けて、体内リズムを整えた生活を意識しましょう。他にも質の良い睡眠や就寝前のスマホ使用を控える、リラックスできる環境を整えるなど、生活習慣の見直しも効果的です。
市販薬やセルフケアで「改善が難しい」理由
ニキビ跡の黒ずみがセルフケアで改善が難しい理由として、以下の点があります。
- ・市販の美容液で効果を実感しにくいのはなぜ?
- ・セルフケアは「予防」と「補助」
ここでは原因について詳しく解説します。
市販の美容液で効果を実感しにくいのはなぜ?
市販の美容液には美白成分や抗炎症成分が含まれていることが多いですが、濃度や浸透力に限界があり、深層にまで及んだダメージには効果が出にくくなっています。特に長期間残る色素沈着や、赤み・クレーター状のニキビ跡は、肌の奥深くに炎症や組織破壊が起こっており、市販薬では届かないため、改善は難しいと言えます。
セルフケアは「予防」と「補助」
セルフケアはあくまで「予防」や「再発防止」「治療後のサポート」として効果が期待できますが、根本的な改善は難しいです。間違ったスキンケアやセルフケアを続けると、逆に肌状態を悪化させるリスクもあります。ニキビ跡が長期間改善しない、または早期に改善したい場合は、医療機関での専門的な治療を検討することが大切です。
クリニックで専門家の助けを求めるべき時
「肌質に合ったケアがわからない」「複数の跡が混在している」「早く確実に改善したい」と感じたら、専門家に相談するタイミングです。ニキビ跡には赤み、色素沈着、クレーターなど複数の種類があり、それぞれに適した治療法が異なります。クリニックでは肌状態を正確に診断し、レーザーやピーリング、内服薬などを組み合わせた総合的な治療が可能です。セルフケアに限界を感じたら、早めに専門機関に相談をおすすめします。
「専門医への相談」セルフチェックリスト
- ・「市販薬やセルフケアを6ヶ月続けても、変化を感じない」
- ・「古い跡が消えるより早く、新しい跡が増えている」
- ・「茶色い跡と赤い跡が混在している」
- ・「結婚式など、大切な予定までに早く確実に改善したい」
- ・「凹凸(クレーター)や、しこりも併発している」
専門医がおすすめするニキビ跡の黒ずみ治療法
ニキビ跡の黒ずみにおすすめの治療法を解説します。
【茶色い黒ずみ】(メラニン色素沈着)への治療法
茶色い黒ずみには、こちらの治療法がおすすめです。
- ・ポテンツァ: マイクロニードルRFと薬剤導入で肌を再構築
- ・ケミカルピーリング(サリチル酸): ターンオーバーを促進しメラニンを排出
ポテンツァ: マイクロニードルRFと薬剤導入で肌を再構築
ポテンツァは、極細の針(マイクロニードル)を通じて真皮層に高周波(RF)を照射し、コラーゲン再生を促進する治療法です。ターンオーバーを活性化させて、色素沈着を内側から改善していきます。またトラネキサム酸などの薬剤を同時に導入すると、黒ずみやニキビ跡など、悩みの原因となる層に成分をダイレクトに届けられます。ダウンタイムは赤みや微細なかさぶたが1〜7日ほどで、翌日からメイク可能なケースも多く、肌質改善や毛穴ケアにも有効です。
ケミカルピーリング(サリチル酸): ターンオーバーを促進しメラニンを排出
ケミカルピーリングでは、サリチル酸などの薬剤により古い角質をやさしく除去し、新しい肌の再生を促していきます。ターンオーバーが整うと肌に蓄積したメラニンの排出が進み、黒ずみやくすみの改善につながります。皮脂のコントロールや毛穴詰まりにも効果があり、肌の透明感アップも期待できます。ダウンタイムはほぼなく、施術直後にわずかな赤みが出る程度のため、日常生活に支障なく取り入れられるのが特長です。
【赤・紫の黒ずみ】(炎症後紅斑)への治療法
赤・紫の黒ずみには、以下の治療がおすすめです。
- ・Vビーム: 赤みの原因である血管(ヘモグロビン)に直接作用
- ・治療をサポートする内服薬・外用薬
Vビーム: 赤みの原因である血管(ヘモグロビン)に直接作用
Vビームは、炎症後紅斑など赤みが残るタイプのニキビ跡に用いられるレーザー治療です。赤みの原因となる表皮下の毛細血管内のヘモグロビンに反応し、血管の異常拡張を鎮静化させていきます。メラニンではなく血管が原因の赤みには、Vビームがもっとも効果的です。ダウンタイムとしては、赤みや腫れ、紫斑(内出血)などが1〜2週間程度生じる可能性がありますが、繰り返しの治療で改善が期待できます。
治療をサポートする内服薬・外用薬
内服薬や外用薬は、セルフケアと医療治療の橋渡し的存在として、黒ずみの改善をサポートする効果があります。外用薬では、ターンオーバーを促すトレチノインや、メラニン生成を抑えるハイドロキノンなどが代表的で、軽度の色素沈着に有効です。内服薬としては、抗炎症作用や色素沈着予防に働くビタミンC・E、トラネキサム酸などが用いられます。医師の処方に基づいて使用すれば、安全性と効果の両面で信頼できる治療法です。
ニキビ跡を作らない肌づくり:予防ケア
今あるニキビ跡を治療するだけでなく、新たな跡を作らないための「予防ケア」も重要です。
繰り返すニキビを根本から止める
ニキビ跡の黒ずみは、ニキビの炎症が長引くことで悪化します。つまり、ニキビができにくい肌を作ることが、最も確実な黒ずみ予防となります。 当院では、重症のニキビや繰り返すニキビに対し、皮脂の過剰分泌を抑えるイソトロイン(内服薬)や、ニキビの再発を防ぐアグネス(高周波治療)などの根本治療も行っています。「治療してもまた新しいニキビができる」とお悩みの方は、ニキビ跡治療と並行して、予防的な治療についてもご相談ください。
形成外科でニキビ跡治療を受けるメリット
形成外科でのニキビ跡治療は、見た目だけでなく「傷をきれいに治す」専門性が活かされる点が大きなメリットです。形成外科は、皮膚の構造に関する知識が豊富で、術後の仕上がりや自然な肌再生までを見据えた治療が可能です。
また、当院では粉瘤や脂肪腫など皮膚のできもの治療を専門とする医師が多く在籍しており、炎症の強いニキビや悪化したニキビ跡にも最適な治療を提案できます。患者一人ひとりの症状に合わせたカウンセリングにより、機器・薬剤・手技を駆使した最適な治療が受けられるのも、形成外科ならではの強みです。
まとめ
ニキビ跡の黒ずみは、炎症後色素沈着や血流の停滞などが原因で発生します。そしてセルフケアでは改善が難しいことも多く、特に長引く色素沈着や赤み、しこり・クレーター状の跡は専門的な治療が必要です。
当院は、肌構造に精通した専門医が一人ひとりの症状に合わせて、ポテンツァやピーリング、薬物治療などを組み合わせたオーダーメイドのケアを提供しています。長年ニキビ跡でお悩みの方は、一度当院にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。
他にも多くの治療について解説しております。












