粉瘤治療は何科でかかるべき?

 

粉瘤とは?症状と放置するリスク

粉瘤とは、皮膚の下に袋状の組織ができて、その中に垢や皮脂などの老廃物がたまる良性のできものです。しかし、粉瘤は自然に治ることはなく、袋状の組織が残っていると再発する可能性があるため注意が必要です。

皮膚の下に老廃物がたまる良性の腫瘍

粉瘤とは、皮膚の下に袋状の組織ができ、その中に本来は皮膚の外へ排出されるはずの老廃物が蓄積していくことで形成されます。初期の段階では小さくて目立たないことも多く、粉瘤と気付かずに過ごしている方も少なくありません。

しかし、粉瘤は自然に治癒しない腫瘍であるため、時間の経過とともに少しずつ大きくなる場合があります。放置すると炎症や化膿を起こすこともあり、気になるしこりがある場合は早めに医療機関へ相談することが大切です。

初期の粉瘤はしこりのように触れることが多い

初期の粉瘤は、皮膚の下に小さなしこりのように感じるケースが多いです。数mm程度の小さなふくらみから始まり、痛みやかゆみをほとんど伴わないことがほとんどです。

特に背中や首の後ろなど、自分では見えにくい部位にできた場合は、大きくなってから発見されることもあります。皮膚の下にコロコロとしたしこりがあり、数ヶ月たっても消えない場合は、粉瘤の可能性があります。

表面に黒い点や小さな開口部が見える場合がある

粉瘤は、表面に黒い点や小さな開口部が見える場合があり、この特徴的な黒い点は、粉瘤を自分で見分ける手がかりのひとつです。すべての粉瘤にあるわけではありませんが、中央付近に黒い点があり、しこりを伴う場合は粉瘤が疑われます。強く押すと、開口部からドロドロとした内容物が出ることもありますが、自己処置は炎症や感染を招くおそれがあるため避けましょう。

炎症が起こると赤み・腫れ・痛みが出る

炎症を起こすと赤み・腫れ・痛みが伴い、内部の内容物が周囲に漏れ出したり、細菌感染を起こしたりすると、急に腫れて痛みが強くなる場合があります。この状態は炎症性粉瘤と呼ばれ、触れるだけで痛い、熱を持っている、皮膚が赤く盛り上がるといった症状がみられます。炎症が強い場合はすぐに切除できないこともあるため、早めの受診が大切です。
炎症性粉瘤の詳しい解説ページはこちら

悪化すると膿や臭いを伴うことがある

粉瘤が悪化すると、内部に膿がたまり、強い痛みや独特の臭いを伴うことがあります。粉瘤の中には垢や皮脂などの老廃物が蓄積しているため、圧迫されたり破れたりすると、悪臭を伴う内容物が出てくることがあります。

また、化膿が進むと患部は大きく腫れあがり、日常生活に支障をきたす恐れもあります。一時的に膿を出して症状が落ち着いても、組織が残っていると再発しやすいため、根本的な治療には袋ごと切除する手術が必要です。

 

粉瘤の手術方法について

粉瘤の根本的な治療には、皮膚の下にある袋状の組織そのものを切除する必要があるため、手術が行われます。代表的な手術方法として、粉瘤を切開して取り除く「切開法」と、小さな穴から内容物と袋を取り出す「くり抜き法」があります。

当院での実際の手術の様子や流れについては、以下の動画ページからご確認いただけます。
粉瘤(アテローム)の手術動画

切開法

切開法は、粉瘤の上の皮膚を切開し、袋状の組織を周囲からはがして切除する方法です。粉瘤を直接確認しながら摘出できるため、袋をしっかり取り除きやすく再発率が低い点が特徴です。

大きな粉瘤や炎症を繰り返している粉瘤、周囲の組織と癒着している時に選択されやすい治療法のひとつです。傷跡は粉瘤の大きさや切開範囲によって異なりますが、形成外科では皮膚のしわや向きに配慮し、できるだけ目立ちにくい仕上がりを目指していきます。

くりぬき方

くり抜き法は、特殊な器具で粉瘤の表面に数ミリの小さな穴を開け、そこから内容物を出したあと、しぼんだ袋状の組織を切除する方法です。切開範囲が小さいため、体への負担を抑えつつ、傷跡をできるだけ目立たせたくない時に検討されます。比較的小さな粉瘤や、炎症が落ち着いている粉瘤に向いています。

ただし、くりぬき法は、粉瘤の状態によっては袋を完全に取り除くことが難しい場合もあり、すべての粉瘤に適応できるわけではありません。

 

粉瘤の手術後(術後)の過ごし方と注意点

手術後の患部はデリケートな状態です。傷跡を綺麗に治し、感染を防ぐためにも以下の点に注意して過ごしましょう。

入浴・シャワー

術当日は湯船に浸かることは避け、患部を濡らさないようにシャワーのみで済ませてください。翌日以降のシャワーや入浴については、医師の指示に従いましょう。

運動・飲酒

血行が良くなると出血や痛みの原因になるため、術後数日間は激しい運動や過度な飲酒を控えてください。

患部の保護

処方された軟膏や保護テープがある場合は、指示通りに使用し、患部を清潔に保ちましょう。自己判断で触ったり、無理にかさぶたを剥がしたりしないでください。

 

粉瘤治療は何科を受診すべき?皮膚科と形成外科の違い

粉瘤は皮膚にできる腫瘍であるため、皮膚科を検討する方も多いでしょう。しかし、手術を伴う治療では、できるだけ傷跡を目立たせず、綺麗に治したいと考える方も少なくありません。そのような場合は、形成外科での治療が適しています。

皮膚科と形成外科の選び方

どちらを受診するかで迷う場合、ご自身の希望に合わせて選ぶことが重要です。

診療科 特徴・メリット デメリット こんな方におすすめ
皮膚科 皮膚疾患全般の知識が深い 手術の専門ではないため、傷跡の配慮に限界がある場合がある 粉瘤かニキビか診断してほしい、薬で治るか診てほしい
形成外科 手術による傷跡をできるだけ目立たなくする技術に長けている 粉瘤ではなく内服薬のみで治る皮膚疾患だった場合、皮膚科を案内されることがある 傷跡を綺麗に治したい、顔など目立つ部位にできている

綺麗に治すことに特化した形成外科の専門性

形成外科は、傷や変形をただ修復するだけでなく「いかに綺麗に治すか」を追求する、特殊で繊細な手技が求められる専門診療科です。

機能面と整容面(見た目)の両方を考慮して治療を行うため、顔や首など目立ちやすい部位にある粉瘤の手術や、術後の傷跡が気になる場合には、形成外科を受診することでより美しい仕上がりが期待できます。

 

当院(梅田形成外科)の粉瘤治療の強み

当院では、できるだけ傷跡を目立たせたくない、痛みを最小限に抑えたいという患者様のご希望に寄り添い、質の高い粉瘤治療を提供しています。

豊富な経験を持つ「日本形成外科学会認定 形成外科専門医」が執刀

形成外科クリニックを選ぶ上で最も重要なのは、形成外科専門医が手術を行っているかどうかです。

形成外科専門医資格は、医師免許取得後に2年間の初期臨床研修を終え、さらに4年以上の厳しい専門医研修を経て、資格試験に合格した医師のみに与えられます。当院では、この高度な知識と緻密な技術を認められた形成外科専門医が、数多くの粉瘤手術を担当しております。

プライバシーに配慮した女性医師による診察・手術

粉瘤は、胸周りや臀部(お尻)、デリケートゾーンなど、人に見られにくい部位にできることも珍しくありません。男性医師には患部を見せづらいと受診をためらってしまう方のために、当院では女性医師による診察および手術にも対応しております。デリケートな部位のしこりでお悩みの女性患者様も、安心してご相談いただけます。

組織生検による正確な診断と、大学病院等との連携体制

当院では、摘出した組織の生検(病理検査)を行い、医学的根拠に基づいた正確な診断を行っています。そのため、イボやほくろ、その他の類似疾患との鑑別が確実に可能です。また、万が一悪性の疑いがある場合や、全身麻酔での手術が必要と判断したケースでも、連携する大学病院等の高度医療機関へスムーズにご紹介できる安全なサポート体制を整えています。

健康保険適用・日帰り手術対応で負担を最小限に

粉瘤の検査から診断、手術に至るまで、当院での一連の治療はすべて健康保険適用で行っています。(民間の医療保険の給付対象になる場合もあります)

また、多くの粉瘤は入院不要の日帰り手術が可能です。手術自体は5~20分程度で終了するため、お身体への負担も少なく、お仕事などで忙しい方でも無理なく治療を受けていただけます。予約制を導入しており、院内での待ち時間軽減にも努めています。

 

粉瘤に関するよくある質問(Q&A)

Q. 粉瘤は自分で潰して中身を出してもいいですか?

A. 絶対に自分で潰さないでください。無理に押し出すと、周囲の皮膚組織を傷つけたり、細菌が入り込んで強い炎症(化膿)を引き起こしたりする危険があります。また、袋状の組織が残っている限り何度でも再発します。

Q. 粉瘤の手術は痛いですか?

A. 手術中は局所麻酔を使用するため、術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じる程度です。術後に麻酔が切れると軽い痛みが出ることがありますが、処方する痛み止めで十分に抑えられる範囲です。

Q. 一度手術をして切除すれば、再発しませんか?

A. 適切な手術で袋状の組織を完全に取り除き(切除し)きれば、同じ場所からの再発はほとんどありません。ただし、体質によって別の場所に新しい粉瘤ができることはあります。

 

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。