- 脂肪腫の傷跡は綺麗になる
- 脂肪腫の原因と似ている疾患
- 脂肪腫の診断方法
- 傷跡が残りにくい脂肪腫の手術方法
- 各手術方法のメリットとデメリット
- 脂肪腫手術のダウンタイムと回復期間
- 脂肪腫手術の傷跡が残らないためのセルフケア
- 脂肪腫の再発を防ぐ方法
- 脂肪腫手術のよくある質問(Q&A)
- 痛みと傷跡の不安は形成外科へ
「脂肪腫の手術は傷跡が残る?」
「脂肪腫の手術はあとで痛む?」
「術後のダウンタイムについて知りたい」
脂肪腫を除去するには手術が必要と知って、上記のような不安を持つ方は多いです。
本記事では、形成外科の専門的な視点から、痛みを最小限に抑える治療の流れや傷跡が残りにくい脂肪腫の手術方法、傷跡を綺麗にするケア方法について解説しています。
脂肪腫を治療できても傷跡が目立つのは避けたいと思う方も多いはずなので、ぜひ参考にしてください。
脂肪腫の傷跡は綺麗になる
脂肪腫は、皮膚の下にできる脂肪の塊で通常は症状はありませんが、ときには痛みや不快感を引き起こすことがあります。脂肪腫の治療の流れとしては、まず症状を確認し、必要に応じて摘出手術に至ります。
「手術=傷痕が残る」というイメージは強いですが、形成外科のような摘出手術に慣れた病院の治療では、傷跡を最小限に抑えることができます。例えば、当クリニックでは特殊な縫合を行いますので、傷痕を残さない工夫をこらしています。脂肪腫を治すだけでなくできるだけ傷や手術痕を目立たせないようにし、機能を極力回復させることを目指して治療します。
脂肪腫の原因と似ている疾患
脂肪腫のはっきりした原因は分かっていませんが、体質や遺伝、加齢、慢性的な刺激などが関係すると考えられています。しこりが急に大きくなる、硬い、痛みが強い、動きにくい場合は、脂肪腫以外(粉瘤、脂肪肉腫など)の可能性もあるため、早めに形成外科や外科などの専門医に相談しましょう。
脂肪腫の診断方法
脂肪腫の診断には、いくつかの方法とステップがあります。まず最初は、触診で症状を確認します。脂肪腫は触れたときに、ゴムのような触り心地が特徴なので触診である程度は予想ができます。
次に、超音波検査やCTスキャンを行うことがあります。これらの精密な検査により、脂肪腫の位置や大きさの詳細を確認できます。
触診や画像検査でも脂肪腫と判断がつかない場合、病理組織検査を実施します。病理組織検査を簡単に説明すると、腫瘍の一部を少しだけ採取し実際に確認する検査です。
これらの診断を経て、形成外科医が脂肪腫を取り除くために手術を行います。手術後の傷跡を全くのゼロにすることはできませんが、適切なケアにより傷跡を最小限に抑えられます。
傷跡が残りにくい脂肪腫の手術方法
ここでは、傷跡が残りにくい手術方法の特徴やメリットデメリットについて解説します。まずは、手術の種類と特徴から見ていきましょう。
手術方法の種類と特徴
脂肪腫は手術で取り除くことが一般的で確実とされています。ここでは、脂肪腫を切除するための手術方法を2種類詳しく解説します。まずは、最も選択される切除手術から見ていきましょう。
切除手術
脂肪腫の手術は、腫瘍の上を切開して完全摘出することを目的とした手術です。腫瘍は日帰り手術が可能ですが、大きい場合や深部にある場合は入院が必要です。脂肪腫の手術の手順は下記の通りです。
| 手順 | 説明 |
|---|---|
| 麻酔 | 局所麻酔または全身麻酔を施し、手術部位の痛みを抑えます。 |
| 切開 | 腫瘍の表面に切れ目を入れます。 |
| 剥離と摘出 | 脂肪腫を周囲の組織から剥離して摘出します。 |
| 縫合 | 摘出後の空洞を縫い縮めます。 |
| 止血と固定 | 血腫を防ぐために止血し、必要に応じてドレーンを挿入し圧迫固定します。 |
| 病理検査 | 摘出物は病理検査で悪性の有無を確認します。 |
内視鏡手術
内視鏡カメラと専用の手術器具を使用して、腫瘍を取り除きます。手順は以下の通りです。
| 手順 | 説明 |
|---|---|
| 麻酔 | 局所麻酔または全身麻酔を施し、手術部位の痛みを抑えます。 |
| 小さな切開 | 手術部位に数ミリの小さな切開を行い、内視鏡と手術器具を挿入します。 |
| 腫瘍の確認 | 内視鏡カメラを使ってモニターに映し出された腫瘍を確認します。 |
| 腫瘍の摘出 | 手術器具を使って脂肪腫を周囲の組織から慎重に剥離し、摘出します。 |
| 縫合 | 内視鏡手術は切開が小さいため、縫合後の傷跡も小さくなります。 |
各手術方法のメリットとデメリット
各施術別のメリットとデメリットを紹介します。自分の状態にあった手術方法を選択しましょう。
| 手術方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 切除手術 | 痛みや不快感の解消 摘出された脂肪腫で良性か悪性かを診断できる 再発リスクの低減 見た目の改善 |
傷跡が多少残る ダウンタイムが数日から数週間ある |
| 内視鏡手術 | 小さな切開での手術が可能 術後の痛みの軽減 内視鏡で手術時に脂肪腫の位置や大きさを確認できる |
専門的な技術が必要 費用が一般的な手術より高い 再発する可能性が切除手術よりある |
切除手術では、完全な除去が期待できるため、再発のリスクを抑えることができます。
一方で、内視鏡による手術は、高度な技術が必要なことと、再発のリスクがあるため、内視鏡手術を行っていない病院もあります。どのような治療方法があるのか病院で確認しましょう。
脂肪腫手術のダウンタイムと回復期間
術後の経過は部位・大きさ・深さで変わりますが、目安は以下です。抜糸の時期、入浴や運動の再開は傷の状態で前後します。手術当日〜数日は痛み・腫れが出やすいため安静にし、出血や強い腫れがある場合は受診先へ連絡してください。
- ・当日〜3日:痛み、腫れ、内出血が出やすい
- ・1週間前後:抜糸(必要な場合)、日常生活は概ね可能
- ・2週間〜1ヶ月:運動や飲酒は医師の指示に合わせて再開
- ・数ヶ月:瘢痕の赤みや硬さが落ち着いていく
脂肪腫手術の傷跡が残らないためのセルフケア
傷跡が残らないように自分でケアする方法もあります。ここでは、できるだけ手術痕が残らないための工夫を紹介します。
傷口を乾燥させない
傷を乾燥させず、適度な湿潤環境を保つことで、傷の治りをよくします。傷口が乾燥すると、傷のひりつきやひび割れを起こしやすく、痛みを伴うことがあります。
そのため、専用の絆創膏や軟膏を使用することがおすすめです。適切な保湿は、コラーゲンの生成を促進し、傷跡が目立たなくなることを助けます。
医療用テープで固定する
医療用テープは、傷口を外部の汚れや細菌から保護し、感染のリスクを減少させます。医療用テープで傷口を保護しつつ、傷口を安定させることで、患部の動きを抑え、治癒をサポートします。
特に関節や動きの多い部位の傷には効果的です。また、医療用テープを使うことで、傷跡をきれいに整えることができ、最終的な傷跡が目立ちにくくなります。
過度な飲酒は避ける
飲酒は傷の治癒に悪影響を与えることがあります。アルコールは血液循環を妨げ、免疫機能を低下させるため、感染リスクが高まります。
また、アルコールは体内の水分を奪い、傷口の乾燥を引き起こすことがあります。これにより、傷の治癒が遅れる可能性があります。傷口をきれいに治すためには、飲酒を控え、バランスの取れた食事や適切なケアを心がけることが重要です。
脂肪腫の再発を防ぐ方法
脂肪腫の再発を防止するためには、日常生活を規則正しく過ごすことが重要です。例えば、健康的な食事です。特にビタミンCや抗酸化物質を多く含む食品を意識しながら、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
また、適度な運動やストレス管理も重要です。身体の健康を維持し、リラックスする時間を持つことは、脂肪腫の再発を予防することに役立ちます。定期的な医師の診察を受け、脂肪腫が再発する兆候を早期に発見することが重要です。
脂肪腫手術のよくある質問(Q&A)
手術は痛いですか?
手術中は麻酔で痛みを抑えます。術後は数日ほど痛みや違和感が出ることがあります。
保険適用になりますか?
医師が治療として必要と判断した場合、検査や摘出術、病理検査などが保険適用となることがあります(範囲は医師にご確認ください)。
瘢痕(手術痕)はどれくらいで目立ちにくくなりますか?
傷は徐々に落ち着きますが、赤みや硬さが引くまで数ヶ月かかることもあります。テーピングや保湿などのケアが重要です。
再発しますか?
綺麗に摘出できれば、同じ場所に再発することはほとんどありません。近年は診断技術の向上により、取り残しのリスクも最小限に抑えられています。
痛みと傷跡の不安は形成外科へ
脂肪腫の手術において、術後の痛みは適切な鎮鎮ケアで、傷跡(瘢痕)は形成外科独自の縫合技術とアフターケアで最小限に抑えることが可能です。
「痛いのが怖い」「跡を残したくない」という理由で放置すると、かえって手術の負担が大きくなってしまいます。
大坂梅田形成外科粉瘤クリニックでは、形成外科専門医による日帰り手術を行っております。機能回復はもちろん、手術痕が目立たない特殊な縫合技術を用いています。まずは、お気軽にご相談ください。
院長紹介
日本形成外科学会 専門医 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。
がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。
この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。












