脂肪腫は癌になる?気になる見分け方や対処法について徹底解説!

「体に脂肪腫っぽいものができたけれど、本当に脂肪腫かな?」
「がんだったらどうしよう」
「脂肪腫と悪性腫瘍の見分け方が知りたい」
このようなお悩みはありませんか?
皮膚の下にできるしこりの多くは良性ですが、ごく稀に悪性のケースも存在するため、自己判断は禁物です。
本記事では、脂肪腫と悪性腫瘍の違い、受診を検討すべき目安、必要な検査・診察から手術までの流れを解説します。

 

脂肪腫とがんの違いとは?

脂肪腫とがんは、両者とも腫瘍ですが、性質が大きく異なります。まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。

1. 脂肪腫(良性のしこり)
脂肪腫は良性の腫瘍で、脂肪細胞が異常に増殖したものです。
通常(悪化していない限り)は、触れても痛みがなく、大きさは数センチから10センチ程度の柔らかいしこりで、体幹や四肢に発生します。
脂肪腫が健康に大きな害を及ぼすことは稀で、がん化することはほとんどありません。
煩わしい場合や見た目に問題がある場合は手術で取り除くことができます。

2. 悪性腫瘍・肉腫(がん)
一方、がんは悪性の腫瘍で、細胞が無制限に増殖し、周囲の組織に浸潤したり、他の部位に転移する可能性があります。
がんは痛みを伴うこともありますが、痛みがないケースもあり、早期発見と治療が重要となります。
しこりが急激に大きくなったり、不快感や痛みを感じる場合は、悪性腫瘍の可能性があります。

 

形成外科を選ぶべき理由

しこりの相談先として、形成外科がおすすめです。
形成外科では、脂肪腫などの皮下腫瘍の鑑別から切除まで一貫して対応できる場合が多く、傷跡や仕上がりにも配慮した治療を受けやすい点がメリットです。
「脂肪腫かもしれない」「悪性の可能性が不安」という場合も、まずは形成外科で診察を受けると判断と治療をスムーズに進められます。

 

脂肪腫とがんの見分け方と受診の目安

ここでは、脂肪腫とがんの違いと受診の目安について解説します。

項目 脂肪腫 がん
痛み 基本的になし ある場合とない場合がある
成長速度 ゆっくり大きくなる 急に大きくなる
触感 柔らかい 硬い

痛み

脂肪腫とがんの痛みには明確な違いがあります。脂肪腫は良性の腫瘍で、通常は痛みを伴いません。稀に、脂肪腫が大きくなりすぎて神経や血管を圧迫すると、軽い痛みや不快感が生じることがありますが、深刻な痛みはほとんどありません。

一方、がんは悪性の腫瘍で痛みを伴うことが多いです。がんの痛みは、腫瘍が周囲の組織や神経を侵食したり圧迫することで生じます。痛みの強さや性質は、がんの種類や進行度、部位によって異なります。

ただし痛みの有無だけで良性・悪性を判断できないため、他の変化(大きさ・硬さ・動き)も合わせて確認することが大切です。

成長速度

脂肪腫は、通常1cm~10cm程度の良性の腫瘍で、ゆっくりと成長します。大きくなることはありますが、急激に成長することは稀です。

一方、がんは悪性の腫瘍であり、大きさや成長速度はさまざまです。がんは急速に成長し、周囲の組織に浸潤することがあります。
しこりが急に大きくなったり、形が不規則になったりする場合は、脂肪腫ではなく悪性のがんの可能性があるため、医師の診察を受けることが重要です。

触感

脂肪腫は、通常、柔らかくて弾力のあるしこりのように感じられます。触れると皮膚の下で動くことができ、痛みはほとんどありません。脂肪腫はゆっくりと成長し、触感は一定です。

一方、がんはしばしば硬く、固定されていて動かせないしこりとして感じられます。表面が不規則で、周囲の組織に浸潤していることがあります。
触感に違和感を感じる場合や、しこりが急に大きくなったり形状が変わったりする場合は、がんの可能性があるので、早めに医師に相談しましょう。

こんな症状はすぐ受診を!病院へ行くべきタイミング

受診の目安は下記となります。

  • ・しこりが5cm以上ある
  • ・短期間で急に大きくなっている
  • ・触ると硬い、形がいびつ
  • ・しこりが動きにくい
  • ・痛み、しびれ、違和感がある
  • ・赤く腫れて熱をもつ、炎症を繰り返す

これらの項目にひとつでも当てはまる場合、早めに形成外科に相談することをおすすめします。

 

脂肪腫ができたときの対処法

ここでは、脂肪腫ができたときの対処法について解説していきます。脂肪腫とがんでは、対応が違うためそれぞれ詳しく見ていきましょう。

脂肪腫 がん
治療法 外科手術 外科手術・薬物療法・放射線治療
受診する科 形成外科 部位や治療法によって異なる

脂肪腫の場合

脂肪腫ができた場合、形成外科や皮膚科に相談しましょう。治療法としては、外科手術が一般的です。しかし、一部のケースでは、脂肪吸引技術を用いて脂肪腫を取り除くこともあります。治療方法は、脂肪腫の大きさや位置、患者さんの健康状態に応じて判断します。

がんの場合

がんを疑った場合、まずは内科や一般外科で診察を受け、具体的な症状やがんの疑いのある部位に応じて、専門科に紹介されることが多いです。
脂肪腫と迷った場合には、形成外科を受診すると、腫瘍の診断をしてくれます。

疾患名 受診する科
乳がん 乳腺外科
肺がん 呼吸器外科・内科
胃がん・大腸がん 消化器外科・内科
前立腺がん 泌尿器科
皮膚がん 皮膚科

治療方法

治療方法はがんの種類や進行度により異なりますが、一般的には以下のような方法が用いられます。

治療方法 内容
手術 腫瘍を完全に摘出することを目的とします。
放射線療法 がん細胞を破壊するために高エネルギーの放射線を使用します。
化学療法 抗がん剤を用いてがん細胞の増殖を抑える治療です。
免疫療法 免疫系を強化してがん細胞と戦います。
ホルモン療法 ホルモン依存性のがんに対して、ホルモンの作用を抑える治療です。

 

脂肪腫の日帰り手術と治療の流れ

脂肪腫は、飲み薬や塗り薬で治すことはできません。根治するためには、外科手術で摘出する必要があります。

忙しい方でも安心の「日帰り手術」

「手術」と聞くと入院が必要なイメージがあるかもしれませんが、近年では医療技術の進歩により、多くの脂肪腫は日帰り手術が可能です。

  • ・局所麻酔で実施:手術中の痛みはほとんどありません。
  • ・所要時間:大きさにもよりますが、手術自体は15分〜30分程度で終了します。
  • ・日常生活:手術当日から、激しい運動以外は普段通り過ごしていただけます。

手術から完治までの流れ

  • 診察・検査
    まず超音波(エコー)検査等を行い、診断をつけます。 ※炎症がない、サイズが小さいなどの条件が揃えば、初診当日の手術が可能な場合もあります。
  • 手術(日帰り)
    局所麻酔を行い、腫瘍の直上を小さく切開して摘出します。形成外科医の技術により、傷跡が目立たないよう丁寧に縫合します。
  • 病理検査
    摘出した腫瘍を専門機関で検査し、悪性でないことを最終確認します。
  • 抜糸・経過観察
    1週間〜10日後に抜糸を行います。

※悪性が疑われる場合や、腫瘍が極端に大きい場合、全身麻酔が必要な場合は、連携している大学病院等へ速やかにご紹介いたします。

 

気になるしこりは形成外科へ

脂肪腫と悪性腫瘍(がん)は、初期段階では見分けがつきにくいことがあります。「痛くないから大丈夫」と放置せず、少しでも違和感があれば専門医に相談することが大切です。

脂肪腫は良性の腫瘍のため、健康に大きな影響はありませんが、がんは悪性腫瘍で早期発見が重要です。当院では、傷跡の綺麗さにこだわる形成外科医が、診断から手術まで責任を持って担当いたします。できものができた場合、自己判断せずに形成外科を受診してください。

院長紹介

日本形成外科学会 専門医 古林 玄

東京皮膚のできものと粉瘤クリニックふるばやし形成外科 新宿院 院長 古林 玄

私は大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学附属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医として様々な手術の経験を積んできました。

がん研有明病院では再建症例を中心に形成外科分野の治療を行い、乳房再建および整形外科分野の再建を中心に手術を行ってきました。聖路加国際病院では整容的な面から顔面領域の形態手術、また、先天性疾患、手の外科、全身の再建手術に携わって参りました。

この経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、傷跡の目立たない治療を提供できればと考えております。

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